研究課題
基盤研究(C)
夏の花壇用花卉であるトレニアは、耐暑性が強く、日陰から日向まで幅広い光環境に適応する優れた栽培特性を持つ。しかし、一重で小輪の花の品種しか存在しないため、観賞性のバリエーションに乏しい。本研究では、トランスポゾンの転移によって引き起こされた4種類の突然変異を組み合わせることにより、トレニアの花を完全八重化することに成功した。また、完全八重化をもたらす花芽の形態形成過程の特徴とその分子機構の一部を明らかにした。
野菜花卉園芸学
近年の地球温暖化により、夏の花壇用花卉には強い耐暑性が求められている。強い耐暑性を持つトレニアが、本研究で育成された完全八重系統を育種素材として用いることによって高い観賞性を備えれば、夏花壇の設計に、より多様な選択肢を提供できるようになる。また、異なった4種類のトランスポゾン誘発変異を組み合わせることで著しく花弁数が増加し、花弁の配列が放射状になる現象の形態的特徴ならびに分子機構を一部明らかにした。この知見は、花卉育種技術の発展に資するものである。