研究課題/領域番号 |
17K07660
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
布目 司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, ユニット長 (50355624)
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研究分担者 |
山口 博隆 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (30355664)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 単為結果性 / トマト / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
トマト栽培では訪花昆虫による受粉促進またはホルモン剤散布による着果促進処理が行われている。単為結果性は受粉・受精しなくても果実が着果・肥大する形質であり、気候変動による高温等の環境下でも安定した着果が期待できる有用形質である。単因子劣性形質であるトマト単為結果性pat-2の発現機構の解明および採種不安定性の改善のために、ゲノム編集技術を用いてPAT-2遺伝子およびPAT-2ホモログに変異を導入した変異体を作出し、単為結果性と採種性を評価するとともに花芽・果実形成への影響等を調査することを目的としている。 PAT-2遺伝子およびPAT-2ホモログ遺伝子がトマトの単為結果性に関与することを確認するために、当該遺伝子のN末端領域にガイドRNA配列を設計し、機能欠損変異体の作出に着手した。ガイドRNA配列は、徳島大学の gRNA 設計ウェブツール focas (Osakabe et al. 2016)を始めとする複数のツールによる結果を比較し、推定される特異性、ゲノム編集効率、off-target効果等を参考に配列を選定した。選定したガイドRNA配列をゲノム編集ベクターに挿入してコンストラクトを作成し、アグロバクテリウム法によりトマト形質転換体の作出に着手した。現在、数個体の形質転換体を得ている。 ゲノム編集の効率はガイドRNA配列に依存しており、設計したガイドRNA配列毎に変異誘導効率の確認が必要である。そこで、ヘテロ二本鎖切断分析、ヘテロ二本鎖移動度分析、標的領域の配列解析による変異誘導確認手法を検討した。これにより、変異をキメラに有する形質転換初期のカルスなどの変異頻度を推定することができ、ガイドRNA配列の効率的な選定が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定と異なり、トマトの形質転換効率が低く、形質転換体の獲得に時間を要している。標的遺伝子の機能欠損による影響とも考えられるため、新たなガイドRNAの選定を行い、形質転換体の作出を進めるとともに、形質転換条件の検討も合わせて行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
PAT-2およびPAT-2ホモログ遺伝子の機能欠損変異体を作出し、自殖後代を取得後にnull分離個体を選抜し変異固定個体の表現型を調査する。また、新規対立遺伝子変異体の作出のために、PAT-2遺伝子の保存領域およびプロモーター領域にガイドRNAを選定し、変異体の作出に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
形質転換体の獲得が遅れたため、予算の執行が遅れた。物品費(消耗品)として、次年度予算と合わせて有効に使用する。
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