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2018 年度 実施状況報告書

かび毒分解細菌による収穫後の飼料用トウモロコシのデオキシニバレノール低減法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K07674
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

小板橋 基夫  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, グループ長 (10355662)

研究分担者 黄川田 智洋  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 主任研究員 (90355131)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードかび毒分解菌 / トウモロコシ / サイレージ
研究実績の概要

2017年度に、トウモロコシ飼料に蓄積した赤かび病菌の生産するデオキシニバレノール(DON)に対し、培地上で分解能を有することを明らかにした細菌株について、圃場に栽培されているトウモロコシ子実を対象としたDON分解効果を調査し、その有効性を確認した。2017年の北海道農研の夏作飼料用トウモロコシ(北交89号)に、DON分解能を有した細菌10菌株を、病原菌の接種10日後の8月7日から、10日おきに4回、10ml(10の8乗cfu/ml)の細菌培養液を雌穂先端から皮内部に流し込むように接種した。収穫後、各子実を乾燥粉砕しDON濃度を測定した結果、無処理区の飼料抽出液のDON濃度が11.67ppmであったところ、Nocardioides sp.(YMN1株)2.53ppmのように有意に低減する5菌株が認められた。
そこで、2018年度は、有意な低減効果の認められた5菌株について、2017年度と同様に北海道農研において処理区を5反復に増加させて反復試験を行って効果の確認を行ったところ、3菌株に再度有意な低減効果が認められた。特に、Devosia sp. (SS5株)は無処理区のDON濃度が7.12 ppmであったのに対して、DON濃度が0.87 ppmと低減効果が最も高かった。
また、サイレージ中に蓄積されたかび毒を分解する微生物を得るために、DONを添加した飼料を用いて細菌の集積培養を行って分解菌を選抜を継続し、その結果、DON添加飼料からBrevibacillus sp.やPaenibacillus sp.などの5株のDON分解菌を分離していたが、さらにBacillus属菌の2菌株の分解菌が選抜された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理由
当初掲げた2017年度の研究計画は「培地上で確認されたDON分解菌の圃場における有効性の確認」であったので、2017年度の結果から無処理区に比較して有意にDON濃度を低減できる菌株が5菌株確認できたことから、2017年度の研究目的は着実に達成できたと判断される。さらに、2018年度は処理区数を増やして反復試験を行ったところ、3菌株に再度有意な低減効果があることが確認された。
同時に「サイレージ中からのDON分解菌の探索」においても2017年度に新規のDON分解菌が5菌株得ることができ、今年度も集積培養によって属の違った新しい分解菌を2菌株選抜することができたことで、分解菌探索に関しても研究目的は着実に達成できたと判断される。これらの菌株を用いることで、圃場やサイレージ中のDON濃度の低減法の開発に関する研究の円滑な推進が行われる見込みであり、順調な研究推進が期待できる。

今後の研究の推進方策

今後の研究では圃場散布効果の高い菌株について、さらに処理面積を拡大してその効果を実証する。さらに、サイレージから分離された分解菌については、好気性のBacillus属菌やBrevibacillus属菌および通性嫌気性のPaenibacillus 属菌など、特性の異なる菌株を得ることができたので、それぞれのDON分解の特性解明と、サイレージ中のDON濃度の低減効果を確認する。

次年度使用額が生じた理由

かび毒分解微生物の同定のための遺伝子配列解析のシークエンスの外注費が、当初見積もりより少なかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] トウモロコシ赤かび病に罹病した飼料用 トウモロコシへのデオキシニバレノール 分解細菌の散布効果2019

    • 著者名/発表者名
      小板橋基夫・黄川田智洋・菅原幸哉・吉田重信・ 伊藤通浩・佐藤育男・對馬誠也
    • 学会等名
      日本植物病理学会

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公開日: 2022-12-28  

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