現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低温ストレス耐性及び,越冬後の生長再開に関与する新規機能性ペプチドを同定するために,マイクロアレイによるペプチドをコードする遺伝子(sORF)の発現解析を行った.その結果, 28 の新規sORFがNAと比較して,CA1d, CA7d, DA6h, DA24hのいずれかの処理で4倍以上に発現が上昇すること明らかとなった.このうち18個はCA1dで,13個はCA7dで,3個はDA6h, 24hでそれぞれ発現が高くなっており(CA1d, CA7dの間で重複する遺伝子があった),CAで発現が高くなった遺伝子は低温ストレス耐性に,DAで発現が高くなった遺伝子は越冬後の生長再開に関与するものと考えられた. そこで,これら候補の中で発現誘導の高いものから順に,コードするペプチドを人工合成し,添加試験により植物の耐凍性を観察した.人工合成ペプチドは最大30アミノ酸として,全長がそれ以上の長さのものは各フラグメントがオーバーラップするようにして複数のペプチドを合成した.これまでに15ペプチドについて,耐凍性に関する影響を調べたところ, そのうちの1つのペプチドの添加により,弱い活性ではあるが,低温耐性を高める候補を見出した.現在さらに詳細な機能解析を進めている.
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