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2017 年度 実施状況報告書

葉の窒素代謝ネットワークの転写後制御の解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K07691
研究機関北海道大学

研究代表者

高林 厚史  北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (90546417)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアミノ酸代謝 / 窒素代謝 / 植物 / 葉緑体
研究実績の概要

植物にとって窒素は主要な栄養素であり、その代謝反応は合成・消費・貯蔵の各経路のバランスを保ちながら厳密に制御されている。しかし、その制御機構の全容は未解明である。
申請者は、新規な窒素代謝の制御因子である「ACR11」を見出した。これまでの研究から、ACR11は、1) 葉の窒素濃度の変化に応じて、葉の窒素同化(合成)を司るFd-GOGATの蓄積量を制御することで窒素同化経路の活性を制御すること、さらに、2) 窒素の貯蔵経路の制御を行うことが明らかになってきた。本研究ではその機構を明らかにすることを目的とする。
今年度は、まず、ACR11-Fd-GOGAT複合体の構造を明らかにするため、単粒子解析を試みた。ACR11-Fd-GOGAT複合体をBlue-Native PAGEで分離し、目的のバンドから溶出した。溶出した複合体が解離していないことを確認した後、サンプルを共同研究者に輸送した。現在は単粒子解析の結果待ちの状況である。
次に、ACR11が結合している(Fd-GOGAT以外の)タンパク質群を網羅的に同定するため、ACR11にFLAGタグを導入した植物体を材料とし、抗FLAG抗体ビーズを用いてACR11-FLAGタンパク質を含むタンパク質複合体を精製した。精製したタンパク質複合体は、BN-PAGEで分離し、そのゲルを20個のゲルスライスに分離し、全てLC-MS/MS解析を行った。その結果、Fd-GOGATタンパク質以外にもいくつかの窒素代謝に関わる酵素が検出されたため、現在別の手法で検証を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ACR11-Fd-GOGATタンパク質の構造の単粒子解析に関しては、(採択後に見出した)共同研究者に精製サンプルを送付し、解析待ちの状況である。また、ACR11が、グルタミン酸合成経路以外のアミノ酸代謝経路に関与している可能性を考慮し、現在ACR11結合タンパク質の網羅的な同定を試みている。後者に関しては、Fd-GOGAT以外の複数の候補タンパク質が見出され、現在検証中である。検証結果しだいではあるが、これも現時点では期待通りの進捗と言える。

今後の研究の推進方策

今後は、ACR11-Fd-GOGAT複合体の構造解析の結果を待ちながら、ACR11に結合するタンパク質群の同定を進めたい。また、acr11変異株と窒素代謝関連遺伝子の変異株の二重変異株の作成も同時に進めており、ACR11による窒素代謝制御の全体像を明らかにしたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Deficiency of the Stroma-Lamellar Protein LIL8/PSB33 Affects Energy Transfer Around PSI in Arabidopsis2017

    • 著者名/発表者名
      Kato Yukako、Yokono Makio、Akimoto Seiji、Takabayashi Atsushi、Tanaka Ayumi、Tanaka Ryouichi
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 58 ページ: 2026~2039

    • DOI

      10.1093/pcp/pcx124

    • 査読あり
  • [学会発表] ブルーネイティブ電気泳動を用いた光合成生物タンパク質複合体の網羅的解析2017

    • 著者名/発表者名
      高林厚史
    • 学会等名
      第68回日本電気泳動学会総会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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