本研究ではACR11を介した植物の窒素同化経路の制御機構の解明を目指し研究を行った。ACR11欠損変異株を異なる生育条件で比較したところ、生育遅延の程度は異なるものの、欠損株特有の遊離アミノ酸プロファイルは比較的安定して観察された。このことから、生育遅延の表現型は二次的なものであると考えられた。次に、ACR11欠損株とASN2、AspAT3、GDH1/2との多重欠損株を調べた結果、ASN2は欠損株でGlnからAsnへの転換に寄与していた。一方、ACR11とGS/GOGAT以外の酵素との直接相互作用は見られなかった。現在はACR11が葉緑体からのアミノ酸輸送に関与する可能性について検証している。
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