セノコッカム属などの外生菌根菌が形成するメラニン質の菌核は,劣悪な環境下において樹木との共生関係を維持するために形成され,目視により森林土壌から検出することが可能である。本研究では、国内外の森林土壌から検出されるメラニン質の菌核粒子に含まれる重金属の濃度とその形成年代を求め、菌核粒子内部への金属濃縮機構を知ることを目的とした。ICP-OES,ICP-MS,SEM-EDS,XRF,AMS14C年代測定による分析を行った結果、土壌pH4~8の幅広い領域の森林から採取された菌核の元素組成の特徴が明らかとなり,土壌から菌核への金属元素の移行係数とこれを支配する因子として時間と土壌環境が指摘された。
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