二酸化炭素と水素の反応により生成するギ酸は、持続可能社会において、石油に代わる物質生産のハブ物質と考えられる。ギ酸から有用な物質を合成する方法として、ギ酸資化菌を利用した発酵工学が有望であるが、現在知られているギ酸資化菌のギ酸取り込み速度は1リットルあたり1日数ミリグラムとかなり遅い。そこで、それらの既存のギ酸資化菌酵素を用いる限り、大幅な改善は期待できない。本研究では、ギ酸資化関連酵素の改良および探索を目指した。ギ酸資化にはギ酸からの還元力供給が律速となっているため、ギ酸デヒドロゲナーゼの改良を行い、安定化に成功した。また、自然界から、これまでで最もギ酸資化能の高い新規ギ酸資化菌を単離した。
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