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2019 年度 実績報告書

多細胞体形成により誘導されるPaenibacillus sp. 株の運動能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K07721
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

小林 和夫  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70324978)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードmotility / surface sensing
研究実績の概要

Paenibacillus sp NAIST15-1株のflgB 鞭毛形成オペロンの転写はDegS-DegU二成分制御系により誘導される。これは固形培地表面との接触を感知しておこると考えられているが、そのメカニズムは不明である。今年度は昨年度作製したflgB-bgaBレポーター株を用いて、このメカニズムに関与する因子のスクリーニングを行った。flgB-bgaBレポーター株でトランスポゾン挿入ライブラリーを作製し、固形培地上でflgB-bgaBレポーターの活性が低下または上昇するトランスポゾン挿入株をスクリーニングした結果、鞭毛の基部のMリングをコードするfliFへのトランスポゾンの挿入がflgBオペロンの転写を低下させることが明らかになった。FliFは鞭毛機能に必須であるが、同定したトランスポゾン挿入変異は、運動能を部分的に保持していた。これまでに、DegS-DegUの活性は、鞭毛の回転に対する抵抗が増したときに活性化することが示唆されており、fliF欠損変異株ではDegS-DegUが培地条件にかかわりなく活性化することを見出している。このことを考慮すると、今回得られたfliFトランスポゾン挿入変異の表現型は、DegS-DegUの活性化に鞭毛基部が関係することを示唆している。また、細胞の表層を覆うS-layerに付加される糖鎖の合成遺伝子へのトランスポゾンの挿入が、flgBオペロンの転写を低下させた。糖鎖合成遺伝子を破壊すると、鞭毛遺伝子の発現が大きく低下し、運動能が完全に失われた。DegS-DegUの活性化における、S-layerたんぱく質の役割は不明であるが、これらの結果は、細胞表面にあるS-layerタンパク質が表面感知に重要な役割を果たしている可能性を示唆していると考えられた。

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公開日: 2021-01-27  

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