Paenibacillus sp. NAIST15-1株を含むいくつかのPaenibacillus菌は動くコロニーを形成するという特異な運動能を示す。そのメカニズムは非常に興味深いが、これまで全く不明であった。本研究では、そのメカニズムの一端として表面感知を介した鞭毛の転写誘導システムが存在することを明らかにした。また、Paenibacillus sp. NAIST15-1株の遺伝学的解析手法を確立したことも成果である。Paenibacillus属細菌は、バイオコントロール菌(微生物農薬)としても注目されており、その高い運動能の理解は、環境中での微生物の拡散を考えるうえでも重要である。
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