トレハロースは、種々の生理活性を有し、近年非常に注目されている非還元性二糖である。本研究では、クレン古細菌では初めて、トレハロースを分解する能力を持つ二種の酵素を同定した。二種の酵素は異なる性質を有し、片方の酵素は分解活性が低く、トレハロースに対する親和性が高かった。ユーリ古細菌酵素の活性部位に関する成果と共に、これらの成果は、古細菌のトレハロース利用そして糖代謝について新しい知見を提供し、今後の細胞生物学の一助となる。残念ながら、立体構造の解明と新奇二糖の合成までには至らなかったが、今後の糖質分解酵素の多様性や応用に対して開拓できる道筋を示せると期待できる。
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