研究課題/領域番号 |
17K07734
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
志水 元亨 名城大学, 農学部, 助教 (20423535)
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研究分担者 |
佐藤 育男 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (70743102)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | β-マンナナーゼ / GH134 / Man134 |
研究実績の概要 |
β-マンナン(グルコマンナンおよびガラクトマンナン)は様々な植物に含まれる多糖で、環境中に存在する未利用バイオマスの一つであるため、バイオリファイナリーの原料として注目を集めている。申請者は、糸状菌Aspergillus nidulansが細胞外に分泌する既知のβ-マンナナーゼとは全く相同性を有さない新規β-マンナナーゼAnMan134Aを世界で初めて発見し、新しいGlycoside Hydrolase ファミリー134 (GH134) を創設した。 本申請では、A. nidulansおよびその他の糸状菌が有するGH134に属する糖質加水分解酵素の機能・構造解析およびそれらの生理学的役割を明らかにすることを目指した。 今年度は、A. nidulansのゲノムにコードされているMan134AのホモログであるAMan134B、AnMan134CおよびStreptomyces属の放線菌が有するStMan134Aのリコンビナントの調製と機能解析を実施した。AnMan134B、AnMan134CおよびStMan134Aはすべてβ-マンナナーゼ活性を有していたが、AnMan134Cのkcat/Km値は他と比較して低かった。また、実験に用いたβ-マンナン以外の多糖に対して活性はなかった。 AnMan134Aについては結晶化できたため、現在、X線結晶構造解析を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
A. nidulansのゲノムにコードされているMan134AのホモログであるAMan134B、AnMan134CおよびStreptomyces属の放線菌が有するStMan134Aがβ-マンナナーゼであることを明らかに出来たことは評価できる。また、AnMan134Aの結晶化条件を検討し、X線結晶構造解析ができるようになったことは大きな進展である。
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今後の研究の推進方策 |
AnMan134Aの構造を明らかにする。また、植物病原性の糸状菌Fusarium oxysporumのGH134に属するβ-マンナナーゼの機能および、その遺伝子破壊株を作製し、植物の細胞壁に含まれるβ-マンナンの分解能および植物病原性との関係について解析する。
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