| 研究課題/領域番号 |
17K07735
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| 研究機関 | 関西大学 |
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研究代表者 |
岩木 宏明 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (00368200)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | バイオベースポリマー / シクロオクタノン / シクロヘキサンカルボン酸 / 微生物生産 / 廃食用油 / バイオマス / 廃棄物再資源化 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、廃食用油を原料としたポリマー生産系構築に資する遺伝子資源を獲得することを目的としている。具体的な標的は，（１）オレイン酸からシクロオクタノン，8-オクタノリドを経由し，ポリ（8-オクタノリド）を合成する系に資するシクロオクタノンモノオキシゲナーゼ（COMO）遺伝子，（２）オレイン酸からシクロヘキサンカルボン酸（CHCA）を経て4-ヒドロキシCHCA，4-ヒドロキシ安息香酸，プロトカテキュ酸，2-ピロン-4,6-ジカルボン酸を合成する系に資するCHCA芳香族化経路遺伝子である。
2018年度は、
(1)新規に分離した4株のシクロオクタノン資化性菌から計５つのBaeyer-Villigerモノオキシゲナーゼ（BVMO）遺伝子配列を決定した。これらBVMOの大腸菌異種発現系を構築し、COMO活性の強いBVMOを選択した。その結果、Cupriavidus属細菌由来のBVMOが強いCOMO活性を有することを見出した。さらに、親株のラクトナーゼ遺伝子欠損株を構築するためラクトナーゼ遺伝子配列を決定した。
また、安定なBVMOの取得を目的にシクロアルカノンに生育可能な好熱菌をスクリーニングし、50℃でシクロヘキサノンに生育可能な菌株を単離した。
(2)Corynebacterium cyclohexanicum MU株のCHCA芳香族化経路において、芳香族化の最終段階を除く全遺伝子の同定に成功した。また、Paraburkholderia属細菌由来のCHCA芳香族化経路遺伝子を解析するため、2株のParaburkholderia属細菌のゲノム配列を決定した。両菌株とも３つの環状染色体と２つないし３つのプラスミドから構成される約10Mbpのゲノムを有していた。これらのゲノム配列からCHCAの芳香族化に関与すると考えられる候補遺伝子を見い出した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)シクロオクタノンモノオキシゲナーゼ活性の強いBaeyer-Villigerモノオキシゲナーゼ（BVMO）の選択、親株のラクトナーゼ遺伝子欠損株によるラクトン生産菌の構築を目的としたラクトナーゼ遺伝子配列の決定、安定なBVMOの取得を目標に進めてきたが、研究実績の概要とおり、概ね達成できた。
(2) Corynebacterium cyclohexanicum MU株のシクロヘキサンカルボン酸芳香族化経路遺伝子の同定、Burkholderia属細菌のゲノム配列の決定と芳香族化経路遺伝子の検索を目標に進めてきたが、研究実績の概要とおり、概ね達成できた。
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| 今後の研究の推進方策 |
(1)a. これまでに選択したBaeyer-Villigerモノオキシゲナーゼ（BVMO）発現大腸菌によるラクトン生産条件の検討を行うとともに宿主の検討を行う。さらに、親株のラクトナーゼ欠損株によるラクトン生産を試みる。b. 生体触媒を工業的に利用するためには、その安定性が重要となることから、好熱菌由来のシクロアルカノンモノオキシゲナーゼ遺伝子をクローン化し、その特性を明らかにするとともに、Baeyer-Villigerモノオキシゲナーゼ安定化法の開発を試みる。c. ラクトンの開環重合に用いるリパーゼ生産菌の構築を試みる。
（２）a. Corynebacterium cyclohexanicum MU株のシクロヘキサンカルボン酸（CHCA）芳香族化経路において、芳香族化の最終段階を触媒する酵素遺伝子の同定を試みる。さらに芳香族化の各段階に関与する酵素の酵素科学的性質を解明する。
b. Burkholderia属細菌のゲノム配列より検索した推定CHCA芳香族化酵素遺伝子の機能を同定し、遺伝子欠損株による各中間体生産菌の構築を試みる。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は、必要な消耗品を購入するのに若干足りず、次年度予算を合算して購入することとした。
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