肺炎クラミジアは流行性の風邪や肺炎の原因であり、その慢性感染は動脈硬化の発症・増悪の原因となる。この慢性感染の成立にはクラミジアによる宿主アポトーシスの制御が重要であることが示されている。我々は肺炎クラミジアが宿主アポトーシス促進因子であるcaspase-9をその感染・増殖に利用していること、またcaspase-9が肺炎クラミジアのグリコーゲンの合成に係わる因子や外膜タンパク質遺伝子と相互作用することを明らかにした。さらにその因子に対する抗体が肺炎クラミジアの感染を中和することから、クラミジアに起因する肺炎の治療や予防はもとより、動脈硬化症の予防の突破口とすべく研究を進めている。
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