Serratia marcescensが有するI型タンパク質分泌機構(T1SS)の一つであるLipシステムを利用して、大腸菌による低分子抗体(ラクダ科動物由来VHH、Nanobody)の分泌生産システムの構築を行った。これまでのT1SSを利用したタンパク質分泌生産では、目的タンパク質のC末端に100~200アミノ酸を付加する必要があったが、本研究で構築したシステムでは、10アミノ酸程度を付加するのみで分泌が可能となった。また、Lipシステムの3コンポーネント(LipB/C/D)のうちLipCのみで分泌生産できた。最終的に、培養液1Lあたり数mgの精製Nanobodyを得ることができた。
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