研究課題/領域番号 |
17K07798
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学
|
研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
田中 祐司 高崎健康福祉大学, 薬学部, 講師 (90453422)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | KDM2A / リボソームRNA / メトホルミン / 没食子酸 / AMPK / コハク酸 / ROS / 転写 |
研究成果の概要 |
KDM2AはヒストンH3K36me1/2を特異的に除去するヒストン脱メチル化酵素で、rDNAプロモーターでの活性発揮はrRNA転写抑制に関わる事が知られている。本研究はKDM2A活性を誘導できる化合物を新たに探索した所、メトホルミンと没食子酸を同定したものである。両者にはKDM2A活性誘導要因に違いがあり、メトホルミンでは処理で誘導されるAMPK活性化とコハク酸減少が、没食子酸では処理で誘導されるAMPK活性化とROS産生誘導がKDM2A活性誘導に関わると考えられた。以上の結果は細胞内代謝変動や栄養関連化合物処理で誘導される細胞内環境変動で生じるrDNAエピゲノムが制御される事を示している。
|
自由記述の分野 |
分子生物学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本結果は糖尿病治療薬であるメトホルミンにKDM2Aを通じた抗がん的作用発揮の可能性を示すもので、既存薬の新しい作用側面を示唆するものである。また、細胞内代謝変動によってrRNA転写が制御される際、代謝中間体そのものがエピゲノムに作用できる事を示唆している。この点は代謝異常応答で中間体分子そのものが伝達物質として働く局面を示唆している。また、没食子酸によるエピゲノム制御はあまり解析されていないが、本結果は特定の食品添加物や栄養素がエピゲノム制御に関わる事を示しており、こうした作用が発揮できる化合物が他にも存在する事を想起させる。
|