研究課題/領域番号 |
17K07800
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
木原 稔 東海大学, 生物学部, 教授 (40405684)
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研究分担者 |
海谷 啓之 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40300975)
西川 正純 宮城大学, 食産業学群, 教授 (90404839)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 機能成分 / 消化性 / 吸収 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、心保護効果を示すグレリン含有サケ胃抽出物(sSE)の機能成分本体がグレリンであることを特定し、経口摂取後のサケグレリンが消化を免れ吸収されること、食品として摂取しても安全であることを明らかにすることである。sSEの機能成分本体の特定として、これまでに注射投与した合成サケグレリンが哺乳動物体内で作用することを明らかにした。今年度は経口投与による作用および消化耐性について以下のように確認した。 <合成サケグレリンの経口投与による作用> 1週間合成サケグレリンをラットに強制経口投与したところ、投与期間中の摂食量が増加する傾向を示した。予備的なこの実験に引き続き、詳細を検討するための動物実験がコロナ禍によりできないままである。 <人工消化によるサケグレリン消化耐性> ペプシンおよびパンクレアチンを使った胃腸内in vitro消化により確認した。合成サケグレリンを使った人工消化においては、グレリン構造のN末端側やC末端側が胃内で消化されにくいが、いずれも腸内で速やかに消化されることがわかった。sSEを使った人工消化においては、sSE中のサケグレリンのN末端側が胃内消化4時間で初期値の40%まで低下したが、その後の腸内消化では30%程度までしか下がらなかった。C末端側は腸内消化で速やかに消化された。胃腸内消化を経た場合、合成サケグレリン単独では活性部位が残っていない可能性があるが、粗抽出物であり多種タンパク質(ペプチド)を含むsSEの場合は、サケグレリンのC末端側は消化されても、N末端側の活性部位が分解されずに吸収される可能性が示唆された。 これらのことより、sSEの経口摂取による心機能障害保護作用(Kihara et al., 2016)の本体がサケグレリンである可能性が高まった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染防止のための自粛(2020年4月から8月)により実験が全くできなかったこと、ならびに、その後も続いた活動の制限により研究は大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
再度補助事業期間延長が承認されたため、遅れているぶんを少しでも取り戻したい。 具体的には、合成サケグレリンの経口投与による摂食促進および心保護作用、経口投与後のサケグレリンの吸収(血中移行)について動物実験により確認する。また、新たにグレリン含有サケ胃抽出物を調製し、長期間経口摂取による安全性を動物実験により確認する。 ただし、購入していたELISAキットなどの使用期限が自粛の間に切れてしまっており、動物実験評価のためにこの損失を埋める方策を検討する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により研究活動が大幅に制限されたため。 および、当該感染症の影響により本研究期間が次年度(2021)年度まで延長可能となったため、次年度使用できるようにしたため。
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