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2018 年度 実施状況報告書

運動と食品因子の併用によるマイオカイン(IL-6)を介した褐色脂肪細胞化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K07804
研究機関中部大学

研究代表者

津田 孝範  中部大学, 応用生物学部, 教授 (90281568)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード食品
研究実績の概要

「運動」は多様な面で恩恵をもたらす。近年、運動により骨格筋から「マイオカイン」と呼ばれるホルモン様の生理活性物質が分泌され、このシグナルを介して運動の効果が得られることが分かってきた。ヒトで運動により骨格筋から分泌され、血中濃度が上昇することが明確となった最初のマイオカインはインターロイキン-6(IL-6)である。その他にも同様の作用を持つマイオカインが同定されている。このような背景を踏まえて本研究は、運動と食品因子の併用によるマイオカイン分泌の増強を介した白色脂肪組織中での「褐色脂肪細胞化」誘導の促進作用を明らかにし、運動と食品因子の併用によるマイオカイン分泌を標的とする新しい肥満予防研究の視点と基盤を提示することを目的としている。今年度は、昨年度に引き続き運動によるマイオカイン分泌を増強する食品因子を明らかにするため、骨格筋モデルのマウスC2C12細胞を用い、定法により筋管細胞へ分化させ細胞レベルでの運動モデルの検討からのアプローチを行った。その結果、ある条件でのマイオカイン分泌促進、食品由来因子に関しても促進作用のデータを得た。しかし食品由来因子による検討については、細胞実験での限界があることから、マウスを用いて、トレッドミルによる運動負荷を実施した。その結果、食品由来因子と運動の併用は、褐色脂肪細胞化を誘導することを明らかにした。この作用に関してさらに作用機序を解明する必要があるため、一過性の運動と長期の運動の比較検討を行いながら、全貌を解明し、本研究を完成させる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでに当該研究の要となる機能に関わる食品由来因子を明らかにしており、順調に推移していると判断できる。

今後の研究の推進方策

すでに実施条件や食品由来因子も明らかにしているので、引き続き2019年度の計画に従い、本研究を実施し完成させる。

次年度使用額が生じた理由

(理由)平成30年度の実験が効率よく進み、消耗品の値引きがあったことから、消耗品の支出が予定より少額となった。さらに平成30年度に予定していた研究員の雇用が困難となり、繰り越すこととなった。
(使用計画)2019年度は平成30年度の予算と合わせて研究員を雇用する予定にした。さらに物品費として2019年度に予定している動物実験のための関連物品、試薬類の購入費用にあてる。研究員雇用費:1,200,000円、その他を物品費(試薬類、実験動物購入等)にあてる(平成30年度残額の565,990円を含む)

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] α-Monoglucosyl hesperidin but not hesperidin induces brown-like adipocyte formation and suppresses white adipose tissue accumulation in mice.2019

    • 著者名/発表者名
      Nishikawa, S., Hyodo, T., Nagao, T., Nakanishi, A., Tandia, M., Tsuda, T.
    • 雑誌名

      J. Agric. Food Chem.

      巻: 67 ページ: 1948-1954

    • DOI

      doi/10.1021/acs.jafc.8b06647

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Blackcurrant extract ameliorates hyperglycemia in type 2 diabetic mice in association with increased basal secretion of glucagon-like peptide-1 and activating AMP-activated protein kinase.2018

    • 著者名/発表者名
      Iizuka, Y., Ozeki, A., Tani, T., Tsuda, T.
    • 雑誌名

      J. Nutr. Sci. Vitaminol.

      巻: 64 ページ: 258-264

    • DOI

      doi.org/10.3177/jnsv.64.258

    • 査読あり
  • [雑誌論文] クルクミン:有効な機能性成分、あるいはニセの機能性成分なのか?―食品機能研究からの課題を整理する2018

    • 著者名/発表者名
      津田孝範
    • 雑誌名

      Food Style21

      巻: 22 ページ: 25-28

  • [雑誌論文] クルクミン:化学と代謝・吸収、生理機能発現と食品機能研究からの課題2018

    • 著者名/発表者名
      津田孝範
    • 雑誌名

      New Food Industry

      巻: 60 ページ: 9-18

  • [学会発表] プロポリスの健康機能研究~「ミツバチの恵み」のサイエンス~2019

    • 著者名/発表者名
      津田孝範
    • 学会等名
      第41回ミツバチ科学研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] α-グルコシルヘスペリジンによる褐色脂肪細胞化誘導と体脂肪蓄積抑制2019

    • 著者名/発表者名
      兵頭 拓真、西川 翔、長尾 つばさ、中西 章仁、Tandia Mahamadou、津田 孝範
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2019年度大会
  • [学会発表] プロポリス成分による褐色脂肪細胞化と組織温度上昇機構の解明2019

    • 著者名/発表者名
      西川 翔、兵頭 拓真、青山 広樹、神谷 美沙、宮田 椋、吉村 一輝、熊澤 茂則、津田 孝範
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2019年度大会
  • [学会発表] プロポリス成分による褐色脂肪細胞化の誘導と体温変化2018

    • 著者名/発表者名
      青山広樹、兵頭拓真、神谷美沙、西川翔、宮田涼、吉村一輝、熊澤茂則、津田孝範
    • 学会等名
      第72回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] ブラックカラント果実抽出物の耐糖能改善作用と作用機構の解明2018

    • 著者名/発表者名
      飯塚 讓、尾関 葵、西川 翔、谷 翼、津田 孝範
    • 学会等名
      第72回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] 高生体内吸収性のα-グルコシルヘスペリジンによる褐色脂肪細胞化の誘導2018

    • 著者名/発表者名
      西川 翔、兵頭 拓真、青山 広樹、長尾 つばさ、中西 章仁、タンジャ マハマドゥ、津田 孝範
    • 学会等名
      第72回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] 高水分散性・高生体内吸収性クルクミンによる褐色脂肪細胞化の誘導と作用機構2018

    • 著者名/発表者名
      西川 翔,神谷美沙,青山広樹,野村真美,兵頭拓真,尾関 葵, Lee Hyunjin,高橋 司,今泉 厚,津田孝範
    • 学会等名
      日本食品科学工学会第65 回大会
  • [学会発表] Curcumin as a functional food-derived factor: Highly dispersible and bioavailable curcumin but not native curcumin effectively induces brown-like adipocyte formation in mice.2018

    • 著者名/発表者名
      Takanori Tsuda
    • 学会等名
      The 256th ACS National Meeting
    • 招待講演
  • [学会発表] 「紫」と「黄」のサイエンス:食用植物色素と健康機能2018

    • 著者名/発表者名
      津田孝範
    • 学会等名
      第49回中部化学関連学協会支部連合秋季大会
    • 招待講演
  • [学会発表] アントシアニンとクルクミン-紫と黄の健康機能研究2018

    • 著者名/発表者名
      津田孝範
    • 学会等名
      植物色素研究会第30回集会
    • 招待講演
  • [学会発表] プロポリス成分による褐色脂肪細胞化の誘導と脂肪組織温度の変化2018

    • 著者名/発表者名
      西川翔、青山広樹、兵頭拓真、神谷美沙、宮田涼、吉村一輝、熊澤茂則、津田孝範
    • 学会等名
      第74回日本栄養・食糧学会中部支部大会
  • [図書] 食品機能性成分の吸収・代謝・作用機序2018

    • 著者名/発表者名
      津田孝範
    • 総ページ数
      316
    • 出版者
      シーエムシー出版
    • ISBN
      978-4-7813-1327-6

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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