研究課題/領域番号 |
17K07805
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
大橋 鉱二 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (60278281)
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研究分担者 |
宗綱 栄二 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (30600431)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | DOHaD / エピジェネティクス / micro RNA / DNAメチル化 / インスリン抵抗性 |
研究実績の概要 |
フルクトースは「果糖ブドウ糖液糖」として多くの飲料の甘味料として利用され、先進国では生活習慣病の原因として注目されている。多くの研究により「フルクトース対する脆弱性」が示されている。申請者らも、これまでにフルクトース過剰摂取により誘発される生活習慣病の作用機序を研究している (J Pineal Res 2012)。しかし分子メカニズムにおいては不明な点が多い。 申請者らはエピジェネティックな制御に着目し研究を進めてきた。エピジェネティックな制御を司る機構として、DNAのメチル化、ヒストン修飾、miRNAがある。この中でも申請者はDNAのメチル化に焦点を当て研究して来た。DNAのメチル化とは塩基配列に変化を伴わず遺伝子の発現を調節する。申請者はフルクトースを過剰摂取した成獣ラットにてDNAの高メチル化と遺伝子発現の異常を確認している(Life Sci 2016)(BBRC 2015)。 本研究の目的はフルクトースの過剰摂取が胎内環境を介して仔の糖代謝・インスリン感受性に与える影響を「エピジェネティック」な観点から解析することを目的とする。申請者はこれまでエピジェネティクスの中でもDNAメチル化に焦点を当て研究して来た。本研究ではDNAメチル化に加え、ヒストン修飾やmiRNAによる遺伝子発現のエピジェネティックな制御にも焦点を当て解析する。本年度は妊娠させたラットに出産までフルクトースを過剰摂取させた、仔ラットを用いて解析している。現在、このモデルを用いて以下2点について解析している。 A.過剰フルクトース母獣から生まれた仔肝臓のDNAメチル化・ヒストン修飾変化の解析 B.過剰フルクトース母獣から生まれた仔肝臓のmiRNA発現変化の解析 特に、過剰フルクトース母獣の仔の肝臓組織におけるmiRNA発の異常が示唆される結果が得られつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおりに順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は さらにメチル化DNAの解析を進める。また、変動を示したmiRNについて、詳細な制御機構を培養細胞実験により解析する。ルシフェラーゼアッセイを用いてmiRNAが標的RNAに結合し作用することを示す。またmiRをノックダウン及び過剰発現させ、インスリンシグナルに関わるタンパクをウェスタンブロットで解析し、培養細胞レベルでもインスリン抵抗性が確認されることを示す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の進捗状況によりその都度試薬を購入している。 実験の都合により次年度に繰り越した。
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