研究課題
「健康や疾患の素因は胎児期における栄養状態によって形成される」という新しい概念である DOHaD(Developmental Origin of Health & Disease)説が提唱され、妊娠期の栄養状態が世代を 超え、その子どもの将来にも大きく影響を及ぼすことが示唆されている。フルクトースは「果糖ブドウ糖液糖」として多くの飲料の甘味料として利用されており、日本をはじめとする先進国において、妊婦のフルクトース摂取は増加の一途をたどっている。本研究はフルクトースの過剰摂取が、次世代に及ぼす影響を明らかにすることを目指している。これは、現代社会におけるフルクトース過剰摂取の悪影響を DOHaD 説により証明するものである。申請者らはフルクトース過剰摂取の母獣から生まれた仔は成長するに従いインスリン抵抗性が惹起され ることを見つけた。本研究はその発症機序を DOHaD(Developmental Origin of Health & Disease)説 の視点から調べ、親のフルクトース過剰摂取が仔の体質形成に及ぼす分子メカニズムをエピジェネティックな観点から明らかにすることを目的として研究を進めている。本年度までに、フルクトース過剰摂取モデルラットの確立とそのモデルラットを利用したインスリン応答の解析を進めた。特に、エピジェネティクスな視点からインスリン抵抗性のメカニズムを解析している。現在、インスリン応答に関与する遺伝子を中心にその影響を解析している。
2: おおむね順調に進展している
計画通りにおおむね順調に進展している。
今後も計画通りに進める。特に、過剰フルクトース母獣から生まれた仔肝臓の DNA メチル化・ヒストン修飾変化の解析を進める。
実験の都合上、年度末から年度初めに試薬を購入する必要があるため、次年度使用額が生じた。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Journal of nutritional biochemistry
巻: 67 ページ: 44-50
doi: 10.1016/j.jnutbio.2019.01.016.
Life Sciences
巻: 25 ページ: 1231-1239
doi: 10.1016/j.lfs.2018.04.006