研究課題
フルクトースは「果糖ブドウ糖液糖」として多くの飲料の甘味料として利用され、先進国では生活習慣病の原因として注目されている。多くの研究により「フル クトース対する脆弱性」が示されている。申請者らも、これまでにフルクトース過剰摂取により誘発される生活習慣病の作用機序を研究している (J Pineal Res 2012)。しかし分子メカニズムにおいては不明な点が多い。 申請者らはエピジェネティックな制御に着目し研究を進めてきた。エピジェネティックな制御を司る機構として、DNAのメチル化、ヒストン修飾、miRNAがある。この中でも申請者はDNAのメチル化に焦点を当て研究して来た。DNAのメチル化とは塩基配列に変化を伴わず遺伝子の発現を調節する。申請者はフルクトース を過剰摂取した成獣ラットにてDNAの高メチル化と遺伝子発現の異常を確認している(Life Sci 2016)(BBRC 2015)。本研究の目的はフルクトースの過剰摂取が胎内環境を介して仔の糖代謝・インスリン感受性に与える影響を「エピジェネティック」な観点から解析することを目的とする。本年度は主にmiRNAへの影響を中心に解析した。過剰フルクトース母獣の仔の肝臓組織におけるmiRNA発の異常が示唆される結果が得られつつある。具体的には、妊娠期のフルクトース摂取により、肝臓のmiR-206発現量が増加し、Lxra mRNA量が減少した。妊娠期のフルクトース摂取による悪影響にmiRNA発現量変化が関わっていることが示された。
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J Nutr Biochem
巻: 14 ページ: 印刷中
doi: 10.1016/j.jnutbio.2020.108386
FASEB J
巻: 33 ページ: 11431-11442
doi: 10.1096/fj.201901072R
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doi: 10.1016/j.jnutbio.2019.01.016