研究課題/領域番号 |
17K07811
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
渡辺 嘉 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究室長 (60416310)
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研究分担者 |
室田 佳恵子 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (40294681)
佐藤 博文 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 主任研究員 (70443546)
湯浅 明子 (小島明子) 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (90295709)
吉井 未貴 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究員 (90826158) [辞退]
松尾 道憲 京都女子大学, 家政学部, 教授 (00335308)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | モノクロロプロパンジオール / 細胞毒性 / 体内動態 |
研究実績の概要 |
リンパカニュレーションラットに2-または3-MCPDジ脂肪酸エステルを一定量投与し、リンパ液を経時的に回収した。リンパ液中のTAGの濃度は30分後に最大値に達して減少し120分後には低値となった。MCPDジエステルの検出量は、30分後に最大値に達した後に減少し、120分後には低値となった。MCPDモノエステルは今回の実験条件では殆ど検出されなかったが、遊離MCPDは15~1時間で最大値に達して減少し、120分後には低値となった。 ジエステルの検出量は3-MCPDジエステル>2-MCPDジエステル、遊離体検出量は2-MCPD>3-MCPDであり、腸管におけるリパーゼが1(3)特異性を持つ性質と整合した。また血漿中でもMCPDは投与30分後に最大検出量を示しその後減少した。従って、MCPDジ脂肪酸エステルは腸管で比較的速やかに分解・吸収され、血漿中に遊離体として検出されると推定された。 そこでヒト血中の白血球の一種、単球細胞に対するMCPDの毒性をin vitroで評価したところ、Glydol>1,3ジクロロプロパノール>3-MCPD>2-MCPDであり、3-MCPDよりも分解吸収されやすい2-MCPDの毒性は、3-MCPDより1/10程度、グリシドールより1/100程度低かった。マクロファージに対する細胞毒性強度も同様の傾向を示した。また市販の育児用調製乳7種からは遊離MCPDは検出されなかった。
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