研究課題/領域番号 |
17K07820
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
伊藤 俊彦 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (50336442)
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研究分担者 |
橋爪 克己 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (30372189)
藤田 直子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (90315599)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 難消化性澱粉分解酵素 / 高温障害米 / 酒粕利用 |
研究実績の概要 |
本研究で試料とした超高アミロース米は難消化性を示す。この原料米はアミロペクチンの短鎖が減少し、長鎖が増加していることも明らかになっている。このことは、高温登熟障害米が難消化性を示す原因と一致しており、超高アミロース米は高温登熟障害米の極端な例と捉えることが可能である。そこで、超高アミロース米を原料とした麹が有する難消化性デンプン分解酵メカニズムを解明することは、地球温暖化により今後増えてくるであろう高温登熟障害米への対応策を講じるうえで有効であると考えられる。 これまでの研究において、原料米を日本晴とし、焼酎用麹菌であるAspergillus luchuensisで作成した麹は超高アミロース米を消化できるが、A. oryzaeで作成した麹は超高アミロース米を消化できないことが明らかになった。一方、難消化性米を原料米とし、A. oryzaeで作成した麹は超高アミロース米を消化可能であることを明らかにした。焼酎用麹菌A. luchuensisが生成する超高アミロース米消化生に関与する酵素を特定した結果、グルコアミラーゼであることが明らかとなった。A. luchuensisが生成するグルコアミラーゼは、生デンプン結合ドメインを有することが知られており、生デンプン分解能を有するグルコアミラーゼの働きにより超高アミロース米を消化したものと考えられる。 一方、A. oryzaeが生成するグルコアミラーゼには生デンプン分解能はない。そこで、超高アミロース米から調整した難消化性デンプンを基質とした難消化性デンプン分解酵素活性測定を設定し、関与する酵素の精製及び特定を行った。その結果、2種の酵素が関与しており、それぞれ、α-アミラーゼ及びグルコアミラーゼであった。グルコアミラーゼはpIの異なる3種の酵素が見出されており、これらの詳細な検討は今後の課題である。
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