本研究の遂行により、1H-qNMRを用いた分析法は食品のような複雑な混合物中の特定成分について、その定量用標品を使わず精確に定量できるとともに前処理の簡便化、分析時間の短縮につながることが実証され、食品素材や食薬資源の品質、同等性の評価等にも適用可能と予想された。また、モル吸光係数比を用いた分析法は、1H-qNMRと同程度に正確な定量を汎用的なHPLCにより可能とし、定量用標品がない天然成分などの含量評価法としても利用が可能である。これは、新たな食品素材の開発、未利用または低利用な生物資源の有用性の解明、新しい機能性成分や創薬原型分子の発見に大きく貢献できるものと期待される。
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