研究課題/領域番号 |
17K07827
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
植村 邦彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, ユニット長 (50353967)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 短波帯交流 / 大腸菌 / 殺菌 / プラスチックバック |
研究実績の概要 |
今年度は、バースト短波帯水中加熱装置の試作と試作した装置による殺菌効果の検証を行った。 27MHzの短波帯電源の出力を1kHzの周波数、任意のパルス幅でオンオフすることにより0%~100%のバースト短波帯交流を作成し、オシロスコープで生成された波形を確認した。得られたバースト短波帯交流は整合器を介して、以下の水槽の平行平板電極に給電した。水槽はコの字型のポリカーボネート製壁面を両側から2枚のチタン電極板で挟み込む形で構成し、水槽内に満たした水道水は外部の恒温槽を循環することで、任意の温度に加熱される。 0.2%濃度の食塩水300mLをモデル食品とし、大腸菌培養液1mL添加したものを試料とした。試料および光ファイバー温度計のプローブをプラスチックバックに投入し真空包装したものを上記の水槽内の水道水に浸漬した。両平行平板電極に各種のバースト短波帯を印加し、試料を加熱し、試料内の温度が所定の温度に到達後、直ちに試料を水槽から取り出し、氷水で室温以下まで冷却した。 試料の温度履歴と短波帯印加前後の大腸菌の菌数をカウントした。1kWの短波帯交流を99秒印加して試料を65℃まで昇温させたものと、2kWの50%バースト短波帯交流を98秒印加して試料を65℃まで昇温させたもので残存大腸菌を比較したところ、短波帯交流は4対数、バースト短波帯交流は7対数減少したことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、当初の計画通り、バースト短波帯加熱装置の開発および殺菌の基礎実験を実施し、予想通りの成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、短波帯のパワーメーターを導入し、食品に印加される電圧、電流、電力を正確に測定する。これにより、バースト短波帯が微生物に与える電界効果を明らかにする。また、バースト短波を液体食品の連続処理を可能とする電極を開発し、試験に供する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2年目に、50万円以上の短波帯のパワーメーターを購入する予定となっており、その他、実験に必要な消耗品等を購入する資金が不足することが予想されたため、1年目の助成金を繰り越すこととした。
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