研究課題/領域番号 |
17K07844
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
百村 帝彦 九州大学, 熱帯農学研究センター, 准教授 (80360783)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 木材関連企業 / クリーンウッド法 / 違法伐採 / デューディリジェンス / 事業者登録 |
研究実績の概要 |
2018年度は調査結果のとりまとめと学会発表を進めていった。木材関連企業を対象としたアンケートの取りまとめた調査結果について、2018年9月開催の環境経済政策学会にて発表を行った。また木材関連事業者への聞き取り調査についても約15社を対象に東京、九州地方を含めて実施した。本調査の結果については、2018年11月開催の林業経済学会秋季大会にて発表を行っている。これら2つの研究結果については、学会発表の際に有益なコメントをいただいており、これらに基づいて修正作業をすすめ、2019年度中に学術論文としてそれぞれ投稿を予定している。 また、クリーンウッド法とその政策運用についての分析も進めているところである。クリーンウッド法運用による事業者登録が余り進んでいないことなど、事業者の取り組みが必ずしも前向きでない点など、現行の違法伐採対策に限界があるという論点をもとに、2019年度中に結果を取りまとめ、学術論文として公表する予定をしている。 また、研究成果の外部への公表として、環境NGOと共催した違法伐採に関するセミナーにおいて、上記の木材関連事業者を対象としたアンケート結果の公表を行っている。 クリーンウッド法施行に向けて、事業者の登録などが進み始めているが、進捗は必ずしも順調でないように見受けられる。これらボトルネックについても、2019年度には調査に着手する。また持続可能な森林管理を導くに当たって、経済的なインセンティブを引き出すESG投資の観点から、進めていくことが出来ないかどうかについても検討をし始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年と2018年度に実施した研究について、それぞれとりまとめを行い、学会発表をするところまで進めることが出来ており、一定の進捗はある。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度には、各研究成果のとりまとめを行い、論文として公表をする。また木材関連の業界団体の意向が、傘下の企業の行動に大きな影響があることも見えてきた。そこで、今年度は各業界団体を対象に聞き取り調査を進めていく。 またクリーンウッド法の動向と、それに対する企業の対応についても、留意していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は聞き取り調査に九州地方を入れたこともあり、想定していたよりも旅費の出費が少なくなっていた。
今年度は、複数の研究成果を学術誌へ投稿を予定しており、投稿に関する費用としてこれらの予算を執行する。
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