環境ストレスが生態系の機能を支える分解者微生物に与える影響を調べるため、シイタケをターゲットとして研究を行った。シイタケの現存量を定量するためにqPCRを用いた手法を開発した。室内での培養実験により、最も影響の大きい環境ストレスが高温処理であることがわかった。野外での栽培実験でも、酷暑の後には、菌の現存量の著しい低下が観測された。一方で、生理活性の低下は顕著でなく、高温環境に強い他の微生物による補完が行われたと考えられた。また、台風後の海塩による一時的な低下も観測された。環境ストレスの種類や大きさと分解者微生物の耐性の強さの組み合わせによって、野外における木材の分解が進むことが明らかになった。
|