三陸地方の小河川に回帰するサケ野生個体群の繁殖の実態を解明し、地域個体群の生態の理解に資することを目的として、岩手県・小鎚川において、サケ回帰親魚の全数調査を行った。その結果、親魚の遡上時期、数、遡上区間、産卵床の数および分布など、河川全体のサケ野生個体群の自然産卵の実態を明らかにした。本河川では、孵化放流を実施している近隣河川と比較して、決して小さくない個体群サイズを自然産卵のみで維持していることから、孵化放流事業について再考の必要があることが示唆される。なお、回帰親魚全個体のDNA血縁鑑定は分析を継続している。
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