研究課題/領域番号 |
17K07907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
青木 恭彦 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00212366)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 抗菌剤 / オリゴ糖 / 膜タンパク質 / グリコホリン |
研究成果の概要 |
我々はコイ赤血球膜よりグリコホリンを単離した。この調製したコイグリコホリンは抗菌作用があることを見出したので,グリコホリンの大量調製が可能な新しい単離法を検討した。その結果,ほぼ100%の回収率となるグリコホリン調製法を開発した。次に,グリコホリン結合カラムを作成して細菌懸濁液をカラムに負荷した結果,除菌効果を確認した。 さらに,V.anguillarum を接種してビブリオ病に罹病させたニジマスに,グリコホリンを直接血管内に投与て致死時間を計測した。その結果,生存時間に明瞭な差が認められた。以上の結果より,少量で効果的かつ低環境負荷型の除菌剤および抗生物質の開発の目途が立ったと判断した。
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自由記述の分野 |
水産化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の今までの研究から,コイ血液から調製された膜タンパク質であるコイグリコホリンには,シアル酸を含むオリゴ糖が結合し,それには抗菌作用があることを見出した。この生理活性は,オリゴ糖が細菌に対して吸着作用を有するために生じる。本研究では,コイグリコホリンの環境浄化作用および抗生物質としての効果を実際に検証して,少量で効果的かつ環境に残留しない抗生物質および除菌剤の開発を行った。本研究の応用により種々の病原菌に対する抗菌剤が開発できれば,抗生物質などの化学物質に頼る事のない新しい魚病対策に貢献できるのみならず,O-157対策などへのヒトへの適用も可能であり,産業的にも大いに意義があると思われる。
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