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2018 年度 実施状況報告書

エドワジエラ・イクタルリ感染症原因細菌の河川動態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K07920
研究機関日本大学

研究代表者

間野 伸宏  日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (10339286)

研究分担者 山中 裕樹  龍谷大学, 理工学部, 講師 (60455227)
難波 亜紀  日本大学, 生物資源科学部, 研究員 (20445737)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード魚病 / アユ / 河川 / エドワジエライクタルリ感染症
研究実績の概要

前年度の結果、春季におけるE. ictaluriの動態にアユの遡上が関わっていることが予想された。そこで本年度は、3月より遡上アユを採捕して保菌状況を調べるとともに、同時期における河川環境中のE. ictaluriの局在を分析した。

2018年3~6月にかけて採捕した海産遡上アユの保菌検査を実施した結果、下流域では3月にイレギュラーの陽性個体が確認されたものを除き、6月になるまで陽性個体は確認されなかった。一方で、中流域では5月上旬よりE. ictaluriが検出され、6月に入ると陽性率が急激に増加した。側線横列鱗数や耳石形態による由来判別を実施したところ、検査に使用した大部分の個体が海産遡上魚であった。PCR産物についてはDNAシークエンス解析を実施し、Eiの登録配列と100%一致することを確認した。なお、上記水域に放流されたアユにおいて保菌魚は確認されなかった。また2016年の夏季において本調査水系で発生したアユの大量死がエロモナス症原因菌細菌Aeromonas veroniiに起因する細菌感染症であることが明らかとなり、E. ictaluriとの混合感染を生じている個体も確認された。上記調査と平行して複数の調査地点を設け、qPCR法により水底堆積物および石面付着藻類中に含まれるE. ictaluriを定量した。結果として、石面付着藻類と水底堆積物中のEi量の変動はいずれの月も同様の傾向を示し、特に3~4月にかけて一部の中流域の水域において多くのE. ictaluriが検出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

春季におけるE. ictaluriの動態にアユの遡上が関わっていることの仮説を基に、3~6月にかけて保菌調査を実施したところ、遡上直後の魚体では保菌魚はほぼ認められなかったのに対し、中流域まで遡上してきたアユでは保菌魚が一定の割合で確認された。また、中流域の一部では底泥や石面付着藻類においてE. ictaluri濃度が濃い地点が認められたことから、遡上アユがこのような環境構成物と接触することで保菌するようになることが予想された。これらの成果から、おおむね順調に進展しているとした。

今後の研究の推進方策

前年度の調査の結果から、遡上アユがE. ictaluriを含む環境構成物と接触または摂餌することで保菌するようになることが予想された。そこで今年度は、昨年度に得たアユや環境構成物を用いて、遡上アユがどのような経路でE. ictaluriを保菌するようになるか証明を行う。手法としては、安定同位体を指標とした方法、または遡上アユの胃内容物を調べ、河川構造物として採取・保存していた石面付着藻類の種構成との比較により実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Aeromonas veronii biovar sobria associated with mortality of riverine ayu Plecoglossus altivelis.2018

    • 著者名/発表者名
      Hisato Takeuchi, Aki Namba, Kazutomo Hori, Shosaku Kashiwada, Nobuhiro Mano
    • 雑誌名

      Fish Pathology

      巻: 53 ページ: 86-89

    • DOI

      https://doi.org/10.3147/jsfp.53.86

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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