研究課題/領域番号 |
17K07928
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
團 重樹 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 瀬戸内海区水産研究所, 主任研究員 (20443369)
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研究分担者 |
濱崎 活幸 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (90377078)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マダコ / 養殖 / 種苗生産 / 水流 |
研究実績の概要 |
水流の向きと強さがマダコ幼生の遊泳行動と摂餌に及ぼす影響を解明することを目的に、水流の向きと強さを調節可能である上下にバルブを取り付けて水中ポンプと連結した300mL容の円柱型水流発生装置を8基作成した。4/19~5/19の間に瀬戸内海中央部においてタコツボ漁で漁獲された成熟した雌ダコ13個体を瀬戸内海区水産研究所百島庁舎に搬入し、3kLFRP水槽2面を用いてイシガニおよびマガキを給餌して養成した。雌ダコは5/4~5/23にかけて水槽内に設置したタコツボ内に順次産卵を開始した。産卵を開始した雌ダコは500L水槽に移して個別に流水環境で飼育した。6/24、6/26、および7/2に異なる3個体の雌ダコからふ化したマダコ幼生を3つの500L水槽に約1,200個体ずつ収容して飼育を開始した。マダコ幼生の餌として、ガザミのゾエア幼生を与えた。これらの飼育水槽から0、5、10、および15日齢に達したマダコ幼生をサンプリングし、各水流発生装置の中に1個体ずつガザミゾエア幼生50尾とともに入れ、装置内におけるマダコ幼生の行動を20分間ビデオ撮影した。異なる水流の向き(水流なし、上昇流、下降流)と強さ(上昇流:弱、中、強、下降流:弱、強)を装置内に発生させ、それぞれの条件下で日中に5回と夜間に3回ずつ撮影を行った。撮影後、使用したマダコ幼生の乾燥重量を測定した。現在は撮影データについて装置内のマダコ幼生の12秒ごとの垂直位置を記録するとともに、摂餌回数の観察を実施中であり、記録結果を解析することで水流がマダコ幼生の行動に及ぼす影響を定量化する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始当初の計画では、本年度は異なる水流環境がマダコ幼生の摂餌行動に及ぼす影響について検討する予定であったが、ビデオ撮影装置を用いることにより、遊泳行動についても同時に検討可能とした。遊泳行動は、容器内におけるマダコ幼生の位置データを時系列に沿って記録することにより定量化する予定であるため、記録映像の観察・解析に時間を要するものの、次年度の計画(水流が遊泳に及ぼす影響の解明)を先取りしたものであり順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、引き続き記録映像の解析を進めるとともに、マダコ幼生の浮遊・遊泳に適した水流を発生させる飼育装置の開発を実施する。水流飼育装置については、先行開発した試作装置を用いたマダコ幼生飼育実験において、すでに良好な飼育成績が得られつつあり、マダコ養殖の実現に資する成果が得られる見込みは高い。
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