研究課題/領域番号 |
17K07928
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
團 重樹 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (20443369)
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研究分担者 |
濱崎 活幸 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (90377078)
岡 雅一 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 研究員(再雇用) (30426308) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 頭足類 / 幼生 / 遊泳行動 / 行動生態 / アルテミア / 水流 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで種苗生産が不可能であったマダコについて、浮遊期幼生の行動特性の把握とそれに基づいた死亡原因の解明、そして死亡を防ぐための飼育技術の開発を目的とした。まず、マダコ幼生の遊泳や摂餌が水槽内のエアレーションによって生じる水流に阻害されていることに着目し、水流とマダコ幼生の遊泳行動の関係解明に取り組んだ。その結果、幼生が上昇遊泳する性質を有すること、そして下降流は遊泳行動を阻害して幼生を消耗させること、さらに、上昇流は遊泳を補助することが示された。これらの結果の基づき、水槽内に連続的に上昇流を発生させる水流飼育装置を開発した。この水流飼育装置を使用することで、マダコ幼生の生残率を大幅に改善可能であることが示された。 マダコ幼生は魚介類の種苗生産で餌として一般的に使用されるアルテミアに対して活発な摂餌行動を示す。しかし、アルテミアを給餌して継続飼育すると、成長が停滞してやがて死亡する。本研究における飼育観察により、アルテミアをマダコ幼生飼育水槽へ添加すると複数個体のアルテミアが絡まり合って死亡してしまう凝集現象が生じることを見出した。電子顕微鏡による凝集アルテミアの形態観察からは、凝集したアルテミアの付属肢の遊泳毛の先端が鈎状に変形している様子が観察され、遊泳毛同士が絡まり合うことが凝集の原因であると示唆された。遊泳毛の変形は、マダコ幼生が摂餌時に体外に分泌する消化液によるものと推察された。 アルテミアに代わる餌料を探索するなかで、ガザミのゾエア幼生が有効であることを見出した。ガザミゾエアはマダコ飼育水槽内でも凝集せず、アルテミアと比較して高い生残率と成長速度でマダコ幼生を飼育可能であることが示された。 本課題で得られた知見を統合し、水流飼育装置の使用とガザミゾエアの給餌を組合せることで、着底稚ダコを高い生残率で生産することが可能な種苗生産技術の開発に成功した。
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