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2017 年度 実施状況報告書

ヒスタミンを生成するモルガネラ・サイクロトレランスの動態解明とファージによる制御

研究課題

研究課題/領域番号 17K07931
研究機関北海道大学

研究代表者

山崎 浩司  北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (40250500)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードヒスタミン食中毒 / Morganella / 水産食品 / バクテリオファージ
研究実績の概要

水産食品におけるMorganella psychrotolerans の汚染状況をMPN-PCR法によって調べ,市販水産食品192検体中85検体でMPN-PCR陽性(汚染率44.3%)となり,国内で市販されている水産食品がM.psychrotoleransによって高い頻度で汚染を受けていることが明らかになった。また,この汚染について魚種,産地,購入地域で比較したが,明瞭な差は見られなかったことから,M.psychrotolerans による汚染は広範囲にわたる可能性が示唆された。MPN-PCR法で陽性となった検体からM.psychrotolerans の分離を試み合計37株の分離菌株を得た。これら37菌株のヒスタミン産生能を調べたところ,いずれの菌株でも25℃,48時間後のヒスタミン生成量が4,000mg/lを超え,強力なヒスタミン産生菌として認められた。さらに,ヒスタミン産生菌として著名なM.morganiiとPhotobacterium phosphoreumのヒスタミン産生量と比較したところ,M.psychrotoleransのヒスタミン産生量はこれら2菌種での場合とほぼ同等であったことから,M.psychrotoleransも極めて重要なヒスタミン産生菌であることが明らかになった。分離した37菌株と標準菌株のM.psychrotoleransを宿主細胞とし,食品および環境中からM.psychrotoleransに感染する溶菌性バクテリオファージの分離を試み,146検体から114株のバクテリオファージの分離に成功し(MPV1-MPV6株),この中からM.psychrotoleransの基準株に対して透明度の高いプラークを形成,すなわち溶菌力の強いファージを6株選抜し,次年度以降の研究に使用することを決めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時に平成29年度に実施予定とした研究内容および研究項目については概ね実施し,予想していた結果が得られているため,現在までの研究の進捗状況は順調に進呈していると考えられる。

今後の研究の推進方策

申請時に計画した研究内容を今後も順調に実施することによって,当初計画した成果が得られるものと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低温性ヒスタミン生成菌Morganella psychrotoleransの水産食品における分布と発育挙動2017

    • 著者名/発表者名
      加藤莉子,王 迪, 山木将悟, 川合祐史, 山﨑浩司
    • 学会等名
      第38回日本食品微生物学会学術総会

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公開日: 2018-12-17  

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