紅藻スサビノリ高水温耐性品種の生物学的特性発現の分子機構を明らかにするために,次世代シーケンサーを利用して高水温耐性品種と基準品種のトランスクリプトーム解析を行った.約2 Gbpの塩基配列情報から8,533コンティグが得られ,高水温耐性形質の発現や高水温障害の発症に関与する候補遺伝子(51コンティグ)が検出された.候補遺伝子のBLAST解析や各種パスウェイ解析の結果から,高水温耐性形質の発現には抗酸化系,ユビキチン-プロテアソーム系,DNA修復系などの機能亢進,高水温障害の発症には分子シャペロン系,酸化還元系などの機能低下が関与していると推察された.
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