研究課題/領域番号 |
17K07946
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
藪 健史 日本大学, 生物資源科学部, 研究員 (00551756)
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研究分担者 |
山下 倫明 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, グループ長 (80344323)
今村 伸太朗 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 主任研究員 (80510007)
司馬 肇 (張培淦) 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90256834)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 水産化学 / セラミド / アポトーシス / スフィンゴミエリナーゼ / 核 / ストレス |
研究実績の概要 |
セラミドは,熱や紫外線,化学物質等のストレス,インターフェロンγ,Fasリガンドなどの炎症性サイトカインの刺激に応答して生成され,神経系,血管系,免疫系の形成および性の分化におけるアポトーシスに関与する.申請者らは,アポトーシス誘導時におけるスフィンゴミエリナーゼ群によるセラミド生成機構を明らかにしてきたが,セラミドが核崩壊や遺伝子転写調節を誘発する機序は依然不明である.そこで,本研究では,スフィンゴミエリナーゼを活性化し,膜脂質セラミドを生成し,核崩壊を誘導するスフィンゴミエリナーゼを特定する.この酵素が,核膜を構成するスフィンゴミエリンを加水分解することによって,膜の剛性が微弱となり核膜の崩壊を誘導し,細胞運命を決定することを,バイオアッセイによって解析する. 本年度は,魚類培養細胞へストレスを暴露して核崩壊の過程を観察し,分離・精製手法を確立した.さらに,核崩壊の再現性を確認し,魚類培養細胞を使って核を精製した.核の分離は,細胞を破砕して除核後,遠心法によって核画分を調整し,ウエスタンブロット解析により,ヒストンH2Aタンパク質の発現を評価および核酸分解酵素やカスパーゼ3の活性を調べて核の精製純度を確認した.そして,核の分離・精製できる試験条件を決定した. 核に局在するnSMaseは,nSMase1およびnSMase5が推定されるため,nSMase5に対する抗体の作製を試みた結果.nSMase5に対する抗体の作製に成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は,魚類培養細胞へストレスを暴露して核崩壊の過程を観察し,分離・精製手法を確立した. 核に局在するnSMaseは,nSMase1およびnSMase5が推定されるため,nSMase5に対する抗体の作製を試みた結果.nSMase5に対する抗体の作製に成功した. 平成30年度以降の研究計画である「ユビキチン・プロテアソーム系の解析」について,本年度は取り組むことができた.その成果は,メチオニン型のユビキチンを介してnSMase5を活性化する機構が推定されたこと.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度の研究計画として,nSMase1遺伝子やnSMase5遺伝子を外因性分子としてヒト培養細胞や魚類培養細胞で発現させると,ウエスタンブロット解析では推定される分子量とほぼ同じサイズとして検出された.しかしながら,プロテアソームインヒビターMG132でプロテアソームを阻害すると,発現させた本酵素は,陽極側へ移動しラダー状となり高分子ポリペプチド鎖として検出された.このことから,nSMase1とnSMase5には,すくなくともユビキチン化が生じていることが推定された.そこで,ユビキチン化SMaseの構造を決定するため,ストレス処理した魚類培養細胞やヒト培養細胞から核画分を調製して,ユビキチン化nSMaseを精製する。ユビキチン化分子の同定は,FPLC,UPLCまたはSDS-PAGEで分離後,ウエスタンブロット解析やトリプシン消化物のアミノ酸配列を質量分析によって決定して,タンパク質の組成を同定するとともに,LC/MS/MS分析によってリン酸化やリン脂質の修飾された構造も解析する.免疫沈降やクロマトグラフィーで十分量の収量が得られない場合,超遠心分離およびゲル濾過の濃縮物を用いて,純度は低いが同様の分析手法によって,核に分布するユビキチン化nSMaseの化学構造を解析して,ユビキチン・プロテアソーム経路を同定する. 以上の研究計画に基づいて,「核に局在するセラミドによるアポトーシス誘導メカニズム」を解明する.
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者山下博士と今村博士は,年末の試薬を発注しました.その結果,試薬が本年度中に日本に届かなかったため,次年度へと使用額が繰り越しとなった.
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