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2017 年度 実施状況報告書

造雄腺ホルモンによる甲殻類の性転換誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K07947
研究機関神奈川大学

研究代表者

大平 剛  神奈川大学, 理学部, 准教授 (10361809)

研究分担者 馬久地 みゆき  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, 研究員 (40594007)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアメリカザリガニ造雄腺ホルモン / 化学合成
研究実績の概要

1.アメリカザリガニ造雄腺ホルモン(Prc-AGH)遺伝子の単離
アメリカザリガニの造雄腺からRNAを抽出し、first strand cDNAを合成した。既知のAGHの配列を参考にしてプライマーを設計し、RT-PCRによりPrc-AGHのcDNA断片を増幅した。そして、RACE法により全長のPrc-AGHのcDNAを増幅して、全塩基配列を明らかにした。また、公的な遺伝子データベースの中に、先に述べたPrc-AGHとは別のAGH様遺伝子(Prc-AGH-2)を発見した。Prc-AGHとPrc-AGH-2の遺伝子発現を調べたところ、Prc-AGH-2に造雄腺特異的な遺伝子発現が観察されたことから、Prc-AGH-2がアメリカザリガニの造雄腺ホルモンと考えられた。

2.Prc-AGH-2の化学合成と生物検定
研究代表者は、活性型のクルマエビ造雄腺ホルモンを化学合成した経験を有している。その経験を参考にして、Prc-AGH-2を化学合成した。
化学合成Prc-AGH-2が完成するまでの期間、アメリカザリガニの造雄腺抽出物を若いファラクスに注射し、1尾ずつ個別に飼育した。飼育中に脱皮した個体は、脱皮翌日に雄の外部形態が出現したかどうかを観察した。その結果、6%の個体で雄性化が観察された。今後、同様の方法でPrc-AGH-2の活性を測定する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2017年度の主要な目的としていたアメリカザリガニAGH(Prc-AGH-2)の遺伝子を単離することに成功した。また、その遺伝子からPrc-AGH-2のアミノ酸配列を演繹し、Prc-AGH-2を化学合成した。これらのことから、本課題は概ね順調に進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

化学合成Prc-AGH-2をファラクスに注射し、性転換を誘導させる。そして、注射していないファラクスの卵巣、Prc-AGH-2を注射して雄の外部形態が観察された雄性化途中のファラクスの卵巣、Prc-AGH-2を注射して性転換したファラクスの精巣からRNAを抽出して網羅的なトランスクリプトーム解析を行う。そして、各群の発現遺伝子を比較し、性転換に関わる遺伝子群を抽出する。

次年度使用額が生じた理由

Prc-AGHの遺伝子を単離する方法として、2017年度は網羅的なトランスクリプトーム解析を予定してた。しかし、実際にはPCRによる方法でPrc-AGHの遺伝子を単離した。そのため、トランスクリプトーム解析で必要な試薬代が残った。
2018年度に大規模なトランスクリプトーム解析を予定しているので、残額は2018年度に使用する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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