マダイ腸管を用いる評価系において,腸全体を用いると試料が大量に必要になることが問題となっていた。そこで,必要な試料の量を減らすことを目的として,腸を4分割して吸収阻害効果を評価した。その結果,最も頭側の部位に最も鋭敏な吸収阻害が認められたため,今後はこの部位を用いることとした。ゴボウ汁から凍結乾燥粉末を作成したところ,粉末にせずに凍結状態にして長期保管した際には阻害効果は消失したが,粉末状態では阻害効果が継続して認められた。 ゴボウ汁を分画分子量10万の限外ろ過により分画したところ,2画分ともに有意な阻害活性が認められたが,分子量10万以上により強い阻害活性が認められた。分子量10万位以下の画分をゲルろ過クロマトグラフィーにより分画したところ,40k~70kおよび1.5k~6.5kの画分に有意な阻害活性が認められた。1.5k~6.5kの画分を陽イオン交換樹脂に吸着させ,0~0.5MNaClにより溶出したところ,0.2~0.4MNaCl画分において有意な阻害活性が認められた。最後にこれらの画分をMS分析したところ,18262Daの質量を有する物質が検出された。有効な阻害活性は広範囲な成分に広がっており,目標達成のための有望な知見が得られた。
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