研究課題
アトピー性皮膚炎モデルマウス(NC/Nga)を用い、フロロタンニンの抑制効果を検討した。フロロタンニン濃縮物を2週間、毎日経口投与し、アトピー性皮膚炎の誘導にはジニトロフルオロベンゼン(DNFB)を用いた。アレルギーマーカーとして血中総IgE量や脾臓中のサイトカイン量(IFN-γ、IL-4)をELISA法により計測したところ、何れのマーカーもフロロタンニン濃縮物投与の試験区で対照区より低下した。投与期間中のマウス耳介の炎症(肥厚値)をマイクロメーターで計測した結果、何れの計測日においても、肥厚値はロロタンニン濃縮物投与区で対照区より有意に低い値であった。更に、耳介および背部皮膚の厚みを組織染色による組織検査で確認したところ、フロロタンニン投与区で対照区より有意に低い値であった。これは、マイクロメーター計測の肥厚値の裏付けとなった。腸管免疫系に対するフロロタンニンの影響を調べるため、糞中に含まれる腸内細菌量(Clostridium coccoides、Bifidbacterium属)とCaco-2細胞(腸管吸収モデル)の炎症応答(IL-8産生)について調査した。その結果、糞中のClostridium coccoidesとBifidbacterium属の量はフロロタンニン投与区で増加したので、腸内環境はアレルギー抑制の方向にシフトした可能性が見出された。また、Caco-2細胞のIL-8産生も抑制されたので、腸管吸収される前に腸管内でも抗炎症性を発揮することが見出された。以上を総合すると、腸内環境を抗炎症・抗アレルギー様に改善し、それにより、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が改善される可能性が見出された。
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Plant Foods for Human Nutrition
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