研究課題/領域番号 |
17K07957
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
角田 毅 東北大学, 農学研究科, 教授 (60355261)
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研究分担者 |
藤井 吉隆 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (10463225)
中村 勝則 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (80315605)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日系農企業 / 現地従業員 / キャリア志向 / 人材マネジメント |
研究実績の概要 |
日本農業が国内で厳しい状況を迎える中、海外展開に関心を持つ経営が存在し、条件次第では今後一層拡大していく可能性がある。海外展開をはかるこうした農業法人が現地での経営に成功するためには、適切な経営管理を行うことのできる優秀な人材をいかに確保・育成できるか、その人材マネジメントが極めて重要な課題となっている。本研究では、海外において適切に経営管理を行うことのできる人材を育成していくためにはどのような取り組みが有効なのかを実証的に分析し、体系化に向けた改善方向と課題について検討することを目的とする。今年度は、ベトナムにおける日系農企業について現地調査を再開し、これまで調査を行った法人の現況についての予備的調査を実施し、それらを踏まえて園芸事業を大規模に展開する2社に焦点を当て、日本人マネジャー及び現地従業員を対象に、従業員管理の実態と戦略及び従業員の満足度やキャリアに対する意向等について詳細な調査を行った。その結果、日本人マネジャーはいずれも日本での管理経験などを活かし、各種就業条件の整備等が行なわれていた。しかし、現地従業員は日本人従業員と異なるキャリア思考や労働観を有している傾向があり、その意向に十分配慮したマネジメントが求められていることが示唆された。一方で、現地の雇用環境の中で採用された従業員においては、管理職を志向する者がほとんどいない状況であり、今後現地法人において経営を拡大したり、経営を継承していく上で大きな課題が存在することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大により、現地調査が前年度まで全く行えず、また現地の日系農企業も販売制限や需要の減退などにより経営状況が悪化する傾向があり、いくつかの対象企業で調査継続が困難になった。
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今後の研究の推進方策 |
海外渡航の制限が大幅に緩和されたことにより、現地調査が再開できることとなったため、前年度調査できた日系農企業を主な対象として、集約的な調査を実施し、課題のとりまとめを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により予定していた現地調査が制限されたため。今年度は現地調査の回数を増やし、データの収集を行い、研究成果のとりまとめを行う。
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