研究課題/領域番号 |
17K07969
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
藤井 吉隆 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (10463225)
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研究分担者 |
角田 毅 東北大学, 農学部, 教授 (60355261)
山本 和博 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (70504124)
中村 勝則 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (80315605)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 農業法人 / 雇用人材 / 就業意識 |
研究実績の概要 |
過年度に作成した農業法人におけるワークコミットメント尺度(①組織コミットメント12項目:情緒的6項目、功利的3項目、規範的3項目、②キャリアコミットメント9項目:現在の職務に対するコミットメント5項目、農業に対するコミットメント4項目、③地域コミットメント4項目)について、地域コミットメントの尺度を一部改良するとともに、集落営農法人を対象に事例調査を実施した。 事例調査では、秋田県2事例、山形県2事例の集落営農法人を対象に、改良したワークコミットメント尺度を適用して、従業員の就業意識を把握するとともに、法人間や従業員間の差異などについて分析した。 その結果、集落営農法人従業員の就業意識は、出身(集落内出身、集落外出身)や地域との関わり方(構成員、地域住民との関係性)によって、従業員間のワークコミットメントに差異がみられることなどを明らかにした。そして、集落営農法人において集落外出身者を後継者候補として育成していく上では、後継者候補と地域住民のネットワークづくりを促進することにより情緒的、功利的の両面から地域コミットメントおよび組織コミットメントを向上させていくことが有効であることなどを明らかにした。 また、これらの調査結果に基づいて、農業法人(個別法人、集落営農法人)における人的資源管理モデルを検討し、経営者へフィードバックおよび意見交換を行い、その妥当性を検証するとともに、実用性向上に向けた改善点などを抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究成果について雑誌論文(1件)、学会報告(2件)、農業経営者および指導機関向け研修会(1件)に公表することができた。しかし、研究を進める中で、集落営農法人を対象とした事例調査の拡充(地域コミットメントに関する分析)が必要と考えられたため、事業期間を1年間延長することとなった。 以上のことから「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの事例調査結果を分析して、集落営農法人における雇用人材の就業意識の特徴を解明するとともに、集落営農法人経営、個別法人経営における事例調査を拡充する。 以上の結果に基づき、従業員の採用から育成の各段階に応じた対応策やポイントを整理した人的資源管理モデルを個別法人経営、集落営農法人それぞれに構築する。そして、構築した人的資源管理モデルについて、実務家(農業経営者、関係機関)からの評価を受け、実践的なモデルへの改良を図るとともに、研究協力者などと連携して、研究成果の情報発信を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響により2020年3月に予定していた事例調査・打合せを延期したこと、研究を進める中で、集落営農法人を対象とした事例調査を拡充する必要が生じ、事業期間を1年間延長することとなったことにより次年度使用額が生じることとなった。
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