研究課題
基盤研究(C)
本研究では,わが国の水稲栽培における作付規模拡大が環境効率(=水稲収量/環境影響)を改善するか否かを調査した.まず,ライフサイクルアセスメントを用いて,水稲栽培における複数の環境影響(地球温暖化や富栄養化など)を定量化した.次に,包絡分析法を適用して,複数の環境影響を統合した単一の環境効率指標を作成し,水稲作付規模別に比較した.分析の結果,わが国の水稲栽培における作付規模拡大は環境効率改善に資することが示された.
環境経済学
本研究では,わが国の水稲栽培における作付規模拡大が環境効率を改善することを定量的に明らかにした.この研究成果の学術的意義や社会的意義としては,わが国農政がこれまで推進してきた水稲作付規模の拡大施策は,経営面での効果である農業所得増大にとどまらず,環境面での効果である環境効率改善にも資することを示したことにある.