研究課題/領域番号 |
17K07973
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研究機関 | 共栄大学 |
研究代表者 |
中村 哲也 共栄大学, 国際経営学部, 教授 (80364876)
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研究分担者 |
矢野 佑樹 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 講師 (40618485)
丸山 敦史 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (90292672)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ロシア / 農産物輸出 / 日本食レストラン / 日露首脳会談 / 植物工場 / サンマ |
研究実績の概要 |
令和元年は、極東ロシアを事例とし、食品企業交流・協力プランの方向性に関して、統計的に分析した。分析した結果,下記の諸点が得られた。 第1に,日露首脳会談で安倍総理がプーチン大統領に8つの協力プランを提示したが,7割のロシア人が8つの協力プランを期待していた。特にロシア人は,人的交流の飛躍的拡大や,ウラジオストクの輸出基地化、先端技術の向上等を期待していた。エネルギー開発については, 7割のロシア人が地熱や風力発電を推進することに消極的であったが,日本の技術によって地熱や風力発電の技術が向上することについては賛同が得られた。 第2に,中小企業交流・協力の抜本的拡大のうち,7割強以上のロシア人が植物工場プラントの輸出が期待していた。人工光型の植物工場野菜の長所としては,気候変動の影響を受けることがないことや,安定した価格での供給が可能であること等があげられた。他方,短所としては,人工的な感じがすること,値段が露地の2~3倍すること,初期投資が高額であること等が続いた。 第3に,人工光型と太陽光型の植物工場があった場合,6割のロシア人が太陽光型の植物工場を選んだ。太陽光型の長所については,人工光型より光熱費が安いことや,根菜等も栽培可能なこと,人工光型より維持費が安いことがあげられた。他方,短所については,周年生産は不可能であること,広大な敷地が必要あること,農薬が必要であることが続いた。 第4に,7割以上のロシア人が,日本の食品や農産物を購入すると答え,日本食レストランが出店することを期待していた。そして8割以上のロシア人は魚介類を食する習慣があるが,7割は日本の魚介類を購入したいと回答した。日本産の農水産物を購入する理由については,品質や食味,鮮度などは評価された一方で,購入しない理由については価格面だけでなく,放射能に対する不安も少なからず危惧していることも挙げられた。
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