研究課題/領域番号 |
17K07980
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
淡路 和則 龍谷大学, 農学部, 教授 (90201904)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 食品リサイクル / エコフィード / 高付加価値化 / 飼料自給率 / 飼料用米 / 食の安全 |
研究実績の概要 |
エコフィードについての消費者の意識を把握するため、利用する食品残さの種類によって肉等畜産物への抵抗感がどう変化するかを問うアンケート調査を実施した。その結果、エコフィード原料が規格外農産物、加工くずなどの場合は抵抗感が少なく、厨芥類などは抵抗感が大きくなり、フードシステムの川上から川下に行くほど抵抗感が大きくなる傾向が確認できた。 比較的抵抗感が少ない食品製造副産物の利用について、チーズ製造におけるホエーの利用をとりあげ、畜産物の高付加価値化との関係をみた。具体的には、オーストリア、スイスの山岳地域のアルプ農業を事例に調査を実施した。ホエー利用はオランダ等では酪農と養豚が近接して立地し、乳製品加工から出るホエーを飼料利用することが行われている。同じ欧州において、山岳地域では牧草主体でサイレージを給与しない酪農を特徴として高付加価値の牛乳・乳製品が生産・販売されていおり、その副産物を飼料として利用した養豚の豚肉も一般のホエー給与豚よりも付加価値が高まるものであることが把握できた。 国内の飼料生産に注目し、近年、生産・利用の推進が強化されている飼料用米とエコフィードの利用の関係について実態調査を行った。これまで飼料自給率の向上に両者の関係は補完的とみられてきた。しかしながら、飼料用米の生産振興のための助成措置によって飼料用米の取引価格が下落してきており、東北の養豚経営の事例では、飼料用米の買取価格が輸入トウモロコシ並みであることが確認された。このことから、助成措置が飼料用米の利用を増加させ、エコフィードの需要を抑制する作用があることを指摘できた。エコフィード製造者へのヒアリングでは飼料用米価格の低下によってエコフィード売上が減少していることが確認できた。飼料自給率向上という目的は両者とも同じであるが、価格条件によっては飼料用米はエコフィードの競合財となることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
家族の看護で一部調査が実施できなかったことと、豚コレラの発生で調査が延期・保留となったことがあったが、概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
エコフィードに対する消費者のイメージと肉質に及ぼす影響を含めて、エコフィードと畜産物の高付加価値化の戦略について調査を踏まえて整理を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外調査が、配偶者の病気治療と看護のため一部実施できなかった。その分は次年度以降の海外調査に組み込むこととする。
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