本研究では,地球温暖化の影響に脆弱とされる,南太平洋島嶼国キリバス共和国(以下,キリバス)の首都南タラワを対象として,生活環境及び農業生産の実態を調査,整理した.生活インフラ等の格差から首都部において過密が進行し,あわせて独自の生活習慣から生活環境の悪化が進展していること,劣悪な農業生産条件のもと,とりわけ貧困層において生鮮野菜の摂取が困難であること等を確認した.但し,再生可能エネルギーシステムについては,基礎的知見は得たが,十分な結果は得られなかった.コロナ禍にあって,分析のベースとなる産業連関表の作成にかかる現地調査が実施できなかったことが主な理由である.
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