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2020 年度 実績報告書

日系移民による南米開発と食文化の伝承

研究課題

研究課題/領域番号 17K07995
研究機関日本大学

研究代表者

菊地 香  日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (30325831)

研究分担者 溝辺 哲男  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50592622) [辞退]
中村 哲也  共栄大学, 国際経営学部, 教授 (80364876)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード食文化 / 南米移民 / 年中行事 / 通過儀礼
研究実績の概要

研究実績は、次のとおりである。第一に日系移民が多く居住するブラジル・サンパウロとアルゼンチン・ブエノスアイレスとラ・プラタを対象とし た。本来の課題は、パラグアイ、ペルー、ボリビアにおける日系移民を対象にする予定であったが、全体的に広く浅くとなってしまうことが見られたので、日系移民の多いブラジルとアルゼンチンに絞った。4ヵ年実施した結果、移民は現地に同化しつつあるもキーになる部分は同化していないことがわかった。
第二にサンパウロとブエノスアイレスの沖縄県人会を通じて、移民の食文化継承に関して調査を3カ年にわたり実施した。サンパウロの移民で認識できていない年中行事は、世代を重ねるに従い食事の提供が省略されている。通過儀礼は、世代を重ねると認識できていても、実施していない。ブエノスアイレスでは、主要な年中行事を実施することにより県民性を忘れないようにしている。同様に通過儀礼も、形を変えながらも実施されている。
第三に、日本食の調理に不可欠な調味料は、現地で普通に販売していた。また日本の日常的な食事が移民のなかで継承されており、サンパウロの移民家庭では沖縄県の日常食が喫食されている。またブエノスアイレスも同様であった。現地の食文化を受容しつつも味噌や醤油といった日本食に欠かせない調味料は、調査結果からすると日系移民において今後も使用されていくものである。これらに関しては期間内に取りまとめできなかったが、2021年度に所属機関での予算を活用して成果をまとめる予定にある。
第四に、移民の送り出し元である沖縄県の食文化の現状について参与観察と文献を2019年度と2020年度に実施した。沖縄県の食文化継承に関した文献調査では、地域性を確保できている伝統的な食文化が家庭のなかに残されにくい環境にある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] ブラジル沖縄県人における食文化の継承-サンパウロ市を事例に-2021

    • 著者名/発表者名
      菊地香・堤美智
    • 雑誌名

      開発学研究

      巻: 31(3) ページ: 29-37

  • [雑誌論文] 日系沖縄県人の年中行事と通過儀礼の実施と食に関する継承-ブラジル連邦共和国サンパウロ市を事例に-2020

    • 著者名/発表者名
      菊地香・堤美智
    • 雑誌名

      開発学研究

      巻: 31(2) ページ: 46-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ブエノスアイレスにおける沖縄県人の食文化継承の実状-インタビューによる予備的な考察-2020

    • 著者名/発表者名
      菊地香
    • 雑誌名

      人間科学研究

      巻: 17 ページ: 43-54

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ブラジル在住の沖縄県人における年中行事と通過儀礼の継承-サンパウロを事例に-2020

    • 著者名/発表者名
      菊地香・堤美智
    • 雑誌名

      日本大学生物資源科学部教職課程紀要

      巻: 3 ページ: 105-111

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公開日: 2021-12-27  

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