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2018 年度 実施状況報告書

都市農村対流時代における農村地域資源の担い手の形成・継承と定着に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K07996
研究機関法政大学

研究代表者

図司 直也  法政大学, 現代福祉学部, 教授 (60442563)

研究分担者 西城戸 誠  法政大学, 人間環境学部, 教授 (00333584)
田口 太郎  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (20367139)
筒井 一伸  鳥取大学, 地域学部, 教授 (50379616)
武者 忠彦  信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (70432177)
平井 太郎  弘前大学, 大学院地域社会研究科, 准教授 (70573559)
中島 正裕  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436675)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード農村地域資源 / 担い手継承 / プロセス構築 / 農山村再生 / 田園回帰
研究実績の概要

本研究では、「田園回帰」現象が広がり、都市と農村との間を人材が行き交う都市農村対流時代において、都市からの人材が農村地域に根付き、定着できるだけの社会的・経済的環境を確立していく、地域資源の担い手継承のプロセス研究を検討する。
本研究の2年目にあたる平成30年度は、各担当分野の仮説の構築と方針検討を深めるべく、各自でフィールド活動をもとに研究活動を進めつつ、共同研究会を通してその共有を図った。
農村資源・コミュニティ班では、香川県まんのう町、徳島県海陽町、滋賀県甲良町、群馬県みなかみ町等での活動をもとに、他出子を巻き込むネットワーク型自治、集落点検ワークショップのデザイン・活用、地域資源管理の継続要因・意識醸成が議論の焦点となった。
また、外部人材班では、地域おこし協力隊を中心に、活性化感全国調査の分析結果の共有や、住民自治における地域戦略への位置づけ方、就村からなりわい就農へ新規就農アプローチが議論の焦点となった。さらに、長野県佐久穂町における地域づくりの拠点整備と学生の役割について、ケーススタディをもとに実践的な方向性について、各メンバーの知見を活かした提案がなされた。
全体として、地域の担い手が世代交代期を迎える中で、次世代、将来世代の立場からどのようにビジョンや方向性を描き、資源の継承に繋げるのか、フューチャーデザインと表現されるような本研究の主題について共通認識の構築が図られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

農村地域を捉える上で学際的な研究メンバーで構成する共同研究の形態を採っているが、各メンバーが、所属する研究機関で学部運営や学内組織の主要な立場となり、多忙を極める状況が続いている。そのため、メンバー間での日程等の調整が容易でなく、共同研究会の開催が1回に留まり、共同での現地調査の機会を設けることができなかった。その点で、共通の現場に入って議論する認識共有の場づくりが必要とされている。

今後の研究の推進方策

本研究の3年目にあたる平成31年度は、メンバーが共通の現場に入り議論できる共同調査を1~2ヶ所で実施し、共通の実態認識を踏まえて研究テーマの分析を深める環境を整える。それとともに、研究課題に対する現時点での成果の取りまとめに向けて研究会を開催し、研究協力者も交えて最新の知見を現場に還元したい。
また、研究最終年度にもなり、若者の農山村回帰の潮流が定着する中で、その最前線に身を置く研究チームでの実績をもとに、論点を絞って次期の科研費申請に向けた準備を進め、引き続き研究の推進を図りたい。

次年度使用額が生じた理由

各メンバーが所属研究機関の業務・運営の中核を担う世代にあたり、多忙を極めており、メンバー間での日程等の調整が容易でなく、2年目の平成30年度内に予定していた共同調査が実施できず、研究会の開催も限られたために、旅費を中心に次年度への繰り越しが生じた。平成31年度は、研究代表者が学内組織の主要任務から外れたこともあり、繰り越しとなった助成金を、現地調査での旅費や関連する物品費に充当し、予定していた研究活動の遂行に努めたい。

  • 研究成果

    (24件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (9件)

  • [雑誌論文] 地域社会の再構築にむけた「周辺」の正統化:「討議の場」づくりからの小田切理論の深化2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 雑誌名

      日本都市学会年報

      巻: 51 ページ: 301-310

  • [雑誌論文] 農山村再生プロセスにおけるワークショップ2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 雑誌名

      農村計画学会誌

      巻: 37-1 ページ: 69-70

  • [雑誌論文] 地域おこし協力隊の入口・出口戦略 全国版2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 雑誌名

      人文社会科学論叢

      巻: 5 ページ: 275-313

  • [雑誌論文] 官製ワークショップをいかに農村に根づかせるか?2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 雑誌名

      JCA研究REPORT

      巻: 3 ページ: 1-10

  • [雑誌論文] 過疎地域の力を引き出す自治体職員2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 雑誌名

      ガバナンス

      巻: 11月号 ページ: 35-37

  • [雑誌論文] 地域を未来につなぐパートナー2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 雑誌名

      地域づくり

      巻: 12月号 ページ: 16-19

  • [雑誌論文] 話し合いをどう生み、どう定着させていくか2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 雑誌名

      協同組合研究誌にじ

      巻: 655 ページ: 5-12

  • [雑誌論文] 地域づくりとしての継業―なりわいと農山村を継ぐ挑戦―2018

    • 著者名/発表者名
      筒井一伸
    • 雑誌名

      地域開発

      巻: 627 ページ: 6-10

  • [雑誌論文] 未来人を呼び寄せる討議デザイン2018

    • 著者名/発表者名
      西村直子・井上信宏・武者忠彦
    • 雑誌名

      学術の動向

      巻: 23-6 ページ: 20-23

  • [雑誌論文] 任期終了後に他出した地域おこし協力隊員の任期中の実態分析―任期中の活動とパーソナルネットワーク間の関係性および他出要因に着目して―2018

    • 著者名/発表者名
      桒原良樹・中島正裕
    • 雑誌名

      農村計画学会論文特集号

      巻: 37 ページ: 237-243

    • 査読あり
  • [学会発表] 中山間地域振興における外部人材の意義2019

    • 著者名/発表者名
      中島正裕
    • 学会等名
      平成30年度「徳島県南地域づくりキャンパス事業」
    • 招待講演
  • [学会発表] 農山村再生プロセスにおけるワークショップ2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 学会等名
      農村計画学会春季大会シンポジウム
  • [学会発表] 田園回帰をめぐる構造転換の可能性2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 学会等名
      日本社会学会第91回大会研究活動委員会テーマセッション
  • [学会発表] 今、地域づくりWSは如何にあるべきか2018

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 学会等名
      日本都市学会第65回大会
  • [学会発表] 地域おこし協力隊員の任期終了後の定住の阻害要因ーパーソナルネットワークに着目してー2018

    • 著者名/発表者名
      桒原良樹、中島正裕
    • 学会等名
      平成30年度農業農村工学会大会講演会
  • [図書] 地域おこし協力隊 10年の挑戦2019

    • 著者名/発表者名
      椎川忍、小田切徳美、佐藤啓太郎、地域活性化センター、移住・交流推進機構
    • 総ページ数
      352
    • 出版者
      農山漁村文化協会
    • ISBN
      978-4-540-18161-0
  • [図書] 避難と支援―埼玉県における広域避難者支援のローカルガバナンス2019

    • 著者名/発表者名
      西城戸 誠、原田 峻
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      新泉社
    • ISBN
      978-4787719041
  • [図書] 防災と支援2019

    • 著者名/発表者名
      田中重好ほか編
    • 総ページ数
      382
    • 出版者
      有斐閣
  • [図書] ポスト地方創生2019

    • 著者名/発表者名
      平井太郎編
    • 総ページ数
      204
    • 出版者
      弘前大学出版会
  • [図書] 明日の地域をみつける――信州大学地域戦略プロフェッショナル・ゼミ4年間の軌跡2019

    • 著者名/発表者名
      『明日の地域をみつける』編集委員会編
    • 総ページ数
      183-191
    • 出版者
      第一企画
  • [図書] 移住者による継業:農山村をつなぐバトンリレー2018

    • 著者名/発表者名
      筒井一伸、尾原浩子、図司直也
    • 総ページ数
      62
    • 出版者
      筑波書房
    • ISBN
      978-4-8119-0535-8
  • [図書] 雪かきで地域が育つ―防災からまちづくりへ―2018

    • 著者名/発表者名
      上村靖司・筒井一伸・沼野夏生・小西信義 編
    • 総ページ数
      221
    • 出版者
      コモンズ
  • [図書] 農業・農村の資源とマネジメント2018

    • 著者名/発表者名
      中塚雅也編
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      神戸大学出版会
  • [図書] キーワードで読む経済地理学2018

    • 著者名/発表者名
      経済地理学会編
    • 総ページ数
      470-473
    • 出版者
      原書房

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公開日: 2019-12-27  

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