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2019 年度 実施状況報告書

都市農村対流時代における農村地域資源の担い手の形成・継承と定着に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K07996
研究機関法政大学

研究代表者

図司 直也  法政大学, 現代福祉学部, 教授 (60442563)

研究分担者 西城戸 誠  法政大学, 人間環境学部, 教授 (00333584)
田口 太郎  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (20367139)
筒井 一伸  鳥取大学, 地域学部, 教授 (50379616)
武者 忠彦  信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (70432177)
平井 太郎  弘前大学, 大学院地域社会研究科, 准教授 (70573559)
中島 正裕  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80436675)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード農村地域資源 / 都市農村対流 / 田園回帰 / 世代間継承 / プロセスデザイン
研究実績の概要

本研究の最終年度として、農村コミュニティ再生のビジョン共有のあり方を検討すべく、2019年9月に長野県佐久穂町において、現地研究会を実施した。佐久穂町では、政府から求められた地方創生に対して、都市農村対流時代への変化に敏感に対応し、コミュニティ創生戦略を策定、遂行してきた。現地研究会では、戦略策定にあたった委員の皆さんや役場担当課の皆さんと研究メンバーとの意見交換、現地視察を通して、本研究のテーマである農村地域資源の担い手の形成・継承に関する現場の実践の成果と課題を共有できた。
さらに、研究メンバー各自が担当テーマに基づく研究成果を研究論文等で発表してきた。その主たるものとして、田口太郎(徳島大学)は、地域おこし協力隊をはじめとする外部人材や農山村地域における小規模自治のあり方について言及した。また、平井太郎(弘前大学)は、地域づくりワークショップに関する問題提起を行った。さらに、筒井一伸(鳥取大学)・平井太郎・図司直也(法政大学)は、地方創生におけるプロセスデザインのあり方について現場の実践動向を発信する共著を出版した。
加えて、本研究の総括として、研究代表者の図司直也が、2020年3月末に開催される2020年度日本農業経済学会東北大学大会の大会シンポジウムにおいて、「都市農村対流時代に向けた地方分散シナリオの展望」と題して報告予定であったが、新型コロナウィルス対応のために最終的に大会の中止が決定され、2020年度に学会誌への掲載を予定している。報告では、本研究を通した現地調査と議論の蓄積を踏まえ、新しい世代が創造しつつある農村回帰の価値観から描き出される地方分散シナリオと、そこに求められる農村政策の展望について、その論点を取りまとめることにしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、実態調査のフィールドとして長野県佐久穂町、宮城県丸森町をはじめとする農山村地域で実施し、現地研究会を予定していたが、2019年秋の台風19号をはじめとする災害のため、現地の受け入れ態勢が整うまで延期せざるを得ない状況となった。それに加え、新型コロナウィルス対応に伴い、各地で緊急事態宣言が出されるなど、実態調査や研究会開催をさらに見合わせざるを得ない状況に置かれている。
また、研究代表者および分担者が各大学学部で中堅世代にあたり、学内運営等でも多忙な上に、新型コロナウィルス対応が重なり、研究会の開催回数を確保できず、総括の議論が途上となり、研究遂行に時間を要している。

今後の研究の推進方策

補助事業期間について1年間の延長を承認頂いたことから、予定していた研究総括作業を進めるための研究会の開催を予定している。ただし、新型コロナウィルス対応から、しばらくの間、対面での研究会開催を見合わせざるを得ない状況から、適宜、オンライン会議等を活用した研究会開催に切り替える。
また、現地への補足調査の実施も難しい状況のため、本研究を通して構成メンバー各自が取りまとめた書籍や論文等を集約する形で、最終研究会を開催し、研究成果の取りまとめを進める。
研究成果の還元については、調査協力地域における報告会、関係団体における研修支援、関連するシンポジウム・講演を通して広く進める予定にしていたが、その実施についても、新型コロナウィルスの終息を待たざるを得ず、研究期間終了後の実施を見据えて対応を検討する。また、その代替手段として、学会誌等への投稿や書籍を通した取りまとめにできるだけ注力する。

次年度使用額が生じた理由

本研究では、実態調査のフィールドとして長野県佐久穂町、宮城県丸森町をはじめとする農山村地域で実施し、現地研究会を予定していたが、2019年秋の台風19号をはじめとする災害のため、現地の受け入れ態勢が整うまで延期せざるを得ない状況となった。それに加え、新型コロナウィルス対応に伴い、実態調査をさらに見合わせざるを得ない状況となったため。
また、研究代表者および分担者が各大学学部で中堅世代にあたり、学内運営等でも多忙な上に、新型コロナウィルス対応が重なり、研究会の開催回数を確保できず、総括の議論が途上で、研究遂行に時間を要しているため。
次年度には、研究取りまとめに向けた補足的な現地調査および研究会開催に向けた旅費、また関連文献の収集や調査資料の整理に必要な備品購入に要する消耗品費を中心とした支出を予定している。

  • 研究成果

    (25件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] 環境問題の視点から (特集 大原社会問題研究所創立100周年・法政大学合併70周年記念シンポジウム 社会問題の現在) -- (社会問題の現在 : 研究と運動をどのように切り結ぶのか)2019

    • 著者名/発表者名
      西城戸誠
    • 雑誌名

      大原社会問題研究所雑誌

      巻: 731・732 ページ: 34-45

  • [雑誌論文] 地域おこし協力隊 10年の成果と課題2019

    • 著者名/発表者名
      田口太郎
    • 雑誌名

      ガバナンス

      巻: 2019年8月号 ページ: 32-34

  • [雑誌論文] 救護施設居宅生活訓練事業の有無にみる地域生活移行支援の相違2019

    • 著者名/発表者名
      阿部 正美、田口 太郎
    • 雑誌名

      都市計画論文集

      巻: 54 ページ: 878~884

    • DOI

      10.11361/journalcpij.54.878

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中山間地域における外部人材の役割変化と地域の受容・協働プロセスに関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      竹田 晴香、田口太郎
    • 雑誌名

      農村計画学会誌

      巻: 398 ページ: 273-282

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人口減少社会における多層的小規模少機能自治の可能性2019

    • 著者名/発表者名
      田口太郎
    • 雑誌名

      2019年度日本建築学会大会(北陸)農村計画部門パネルディスカッション資料

      巻: - ページ: 45-50

  • [雑誌論文] 今、地域づくりワークショップで「参加」は如何にあるべきか2019

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 雑誌名

      日本都市学会年報

      巻: 52 ページ: 215-224

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リノベーションによる地方都市の再生 : 長野市中心市街地における「地方の創造都市化」と「都市の文脈化」2019

    • 著者名/発表者名
      武者忠彦
    • 雑誌名

      統計

      巻: 70-8 ページ: 33-38

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地域おこし協力隊員と地域住民の間におけるインフォーマルな交流の阻害要因の解明2019

    • 著者名/発表者名
      桒原良樹,中島正裕
    • 雑誌名

      環境情報科学

      巻: 48(3) ページ: 99-104

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地域おこし協力隊員間の連携が任期中の活動に及ぼす影響―勤務形態の違いに着目して―2019

    • 著者名/発表者名
      桒原良樹,竹内紗恵,中島正裕
    • 雑誌名

      農村計画学会誌論文特集号

      巻: 38 ページ: 283-291

    • 査読あり
  • [学会発表] 復興庁・福島県による県外避難者支援事業と、避難先における支援体制の課題 ―埼玉県の事例を中心に―2019

    • 著者名/発表者名
      西城戸誠・原田峻
    • 学会等名
      第44回地域社会学会大会
  • [学会発表] 社会運動研究とNPO研究の差異を考える2019

    • 著者名/発表者名
      西城戸誠
    • 学会等名
      日本NPO学会・第21回年次大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 埼玉県における広域避難者支援ガバナンスの現状と課題2019

    • 著者名/発表者名
      西城戸誠
    • 学会等名
      第34回自治総研セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] Driving Motivations for Energy Transition: Case Study of Community Power and Green Electricity in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Maruyama and Makoto Nishikido
    • 学会等名
      7th International Symposium on Environmental Sociology in East Asia
    • 国際学会
  • [学会発表] 現代日本農村でのワークショップの可能性2019

    • 著者名/発表者名
      平井太郎
    • 学会等名
      日本社会学会第92回大会テーマセッション
    • 招待講演
  • [学会発表] Current Policy of Japan for Rural Revitalisation2019

    • 著者名/発表者名
      Hirai, Taro
    • 学会等名
      International Poverty Reduction Center of China Seminar
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Current Discussion on the Basic Plan of Food, Agriculture and Rural Area in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Hirai, Taro
    • 学会等名
      China Agriculture University Seminar
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 高速交通網と地方都市2019

    • 著者名/発表者名
      武者忠彦
    • 学会等名
      経済地理学会中部支部
  • [学会発表] 地域おこし協力隊員間の連携が任期中の活動に及ぼす影響―勤務形態の違いに着目して―2019

    • 著者名/発表者名
      桒原良樹,竹内紗恵,中島正裕
    • 学会等名
      農村計画学会
  • [学会発表] 地域おこし協力隊員のインフォーマルな関係と隊員間連携が活動プロセスに与える影響2019

    • 著者名/発表者名
      桒原 良樹・竹内 紗恵・中島 正裕
    • 学会等名
      農村計画学会
  • [図書] 自治総研ブックレット23 第34回自治総研セミナーの記録 原発災害で自治体ができたことできなかったこと 自治体の可能性と限界を考える2019

    • 著者名/発表者名
      阿部昌樹、金井利之、石田仁、西城戸誠、平岡路子、山下祐介、今井照
    • 総ページ数
      113
    • 出版者
      公人の友社
    • ISBN
      4875558392
  • [図書] 大学的青森ガイド2019

    • 著者名/発表者名
      弘前大学人文社会科学部、羽渕一代
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812218167
  • [図書] プロセス重視の地方創生2019

    • 著者名/発表者名
      小田切 徳美、平井 太郎、図司 直也、筒井 一伸、尾原 浩子
    • 総ページ数
      79
    • 出版者
      筑波書房
    • ISBN
      481190561X
  • [図書] 就村からなりわい就農へ2019

    • 著者名/発表者名
      図司直也、筒井一伸
    • 総ページ数
      60
    • 出版者
      筑波書房
    • ISBN
      4811905539
  • [図書] 城下町のまちづくり講座2019

    • 著者名/発表者名
      松本都市デザイン学習会
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      信濃毎日新聞社
    • ISBN
      4784073485
  • [図書] 明日の地域をみつける 信州大学地域戦略プロフェッショナル・ゼミ 4年間の軌跡2019

    • 著者名/発表者名
      『明日の地域をみつける』編集委員会
    • 総ページ数
      402
    • 出版者
      第一企画株式会社

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公開日: 2021-01-27  

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