研究課題
本研究の最終年度にあたり、研究成果の取りまとめとして、研究代表者の図司直也が論文等の作成を通して、内容公表に努めた。運営委員兼理事として関わるNPO法人中山間地域フォーラムが『中山間地域ハンドブック』を出版することになり、テーマ説明の項目を担当した。具体的には、本研究のベースとなる農村地域資源の捉え方を整理した「集落機能と資源管理」の項目と、都市農村対流時代を象徴する今日の時代背景についてまとめた「田園回帰」の項目の2カ所が該当する。また、明治大学の小田切徳美教授から『新しい地域をつくる』の出版企画の呼びかけがあり、本研究の成果の一部を「新しい再生プロセスをつくる」と題して取りまとめた。本研究が焦点とした農村社会の兼業化、混住化という構造変化と、人口減少という担い手自体の減少局面を改めて整理し、世代間の担い手形成・継承と定着に求められる要点をプロセス分析を通じて現場の実態から明らかにしている。さらに、現地調査でお世話になった長野県佐久穂町から、集落運営に関する手引きの作成に関する相談を受けてきた。その成果を取りまとめた冊子『さくほ集落の役の世界』に「暮らし甲斐のある地域づくりに向けて」と題して寄稿し、今日の集落の役職の背景に関する解説を行い、現場レベルでの実践に還元する機会も得た。全体を通して新型コロナウィルスの感染状況が沈静化せず、予定していた対面での最終研究会や現地報告会を見合わせざるを得なかったが、これらは研究期間終了後に改めて機会を設ける方向で検討している。
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