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2019 年度 実績報告書

巨大地震による貯水状態のフィルダム堤体の亀裂発生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08012
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

田頭 秀和  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, ユニット長 (40414221)

研究分担者 増川 晋  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究領域長 (00414459)
向後 雄二  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30414452)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードフィルダム / 地震 / 亀裂 / 貯水 / 遠心載荷振動模型実験 / 画像解析 / FEM解析
研究実績の概要

遠心載荷振動模型実験で巨大地震による貯水状態のダムの変形を再現し、フィルダム堤体の亀裂発生メカニズムに関して、画像解析と数値解析による多面的な分析を行った。
風化花崗岩質土を堤体材料とした模型実験の画像解析から、非貯水状態では加振によって発生する変位とひずみは概ね上下流対称に分布するのに対して貯水状態では非対称性が強く、水平方向ひずみは堤体中央から上流側喫水線付近の浸潤面下で、せん断ひずみγは下流側で発達し、堤体全体が下流方向に変位することがわかった。また、貯水の有無に拘らず、堤頂から少し下がった斜面上でダム軸方向に初期段階の亀裂が発生することを確認した。
次に、土質試験で不飽和状態と飽和状態による土質材料の動的物性の違いを調べ、粘質土ではせん断剛性Gとγの関係において小ひずみ時には不飽和試料が飽和試料よりもGが大きく、中ひずみに向かうに伴って次第に同等になる傾向が認められた。また、密な砂では、小~大ひずみまで一貫して前者が後者よりも著しくGが大きいことを確認した。
また、貯水の有無によるフィルダムの地震時変形挙動の特徴をFEM解析(全応力非線形逐次解析、材料モデルはROモデル)で検証した。その結果、貯水の有無に拘らず加振中に堤頂から少し下がった斜面付近で水平方向ひずみとせん断ひずみが発達することがわかり、模型実験における亀裂発生箇所の妥当性を確認した。
さらに、不飽和領域の動的物性の考慮方法が地震応答解析の応答加速度に与える影響について、等価線形化法によるFEM解析を行って検証した。その結果、単位体積重量と初期せん断剛性G0について飽和状態と不飽和状態の違いを考慮してG/G0-γ関係と減衰率h-γ関係は状態によらず飽和状態のものを採用する場合、これら全ての物性について状態の違いを考慮する場合に比べて、不飽和領域で小さめの加速度を、飽和領域の大部分で大きめの加速度を得た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 不飽和領域の動的特性の設定方法がアースダムの応答加速度に与える影響2020

    • 著者名/発表者名
      田頭秀和、黒田清一郎、林田洋一、本間雄亮、吉中輝彦
    • 学会等名
      2020年度(第69回)農業農村工学会大会講演会

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公開日: 2021-01-27  

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