研究課題/領域番号 |
17K08017
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
松井 正実 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10603425)
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研究分担者 |
井上 英二 九州大学, 農学研究院, 教授 (00184739)
田村 孝浩 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (20341729)
光岡 宗司 九州大学, 農学研究院, 助教 (60437770)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | トラクタ / 駆動トルク制御 / 事故調査 |
研究実績の概要 |
2019年度は、これまでの事故調査結果に加え,新たに入手したトラクタ事故事例約850件の事例から,事故詳細要因21項目について対策時のリスク低減効果の検討を行った。このうち各事故要因について対策がなされていたものと,対策がされていなかったもの2群に分類(21組42群)し,フォルトツリー解析によって発生確率を求め,被害の程度と併せて危険度(RP)を算出し合計により各群のリスクを求めた。その結果,機械的要因の「機械の整備不良,危険状態」,「安全性や操作性の低い機械」,環境的要因の「天候の悪条件」,場所の軟弱さ,滑りやすさ」,「場所の傾斜,段差,凹凸」の計5要因で95%以上のリスク低減効果が認められた。一方で,人的要因ではリスク低減効果が比較的低い(90%以下)結果となった。 次に,駆動トルク制御による姿勢の安定化について、2019年度は、フィードバック制御システムを適用した3自由度(上下,ピッチング,ローリング)のダイナミックシミュレータを開発し,事故現場の地形情報を用いて駆動トルク制御モデルと定速モデルを比較して,制御効果を検討した。シミュレーションの結果、最大ピッチング角度は、制御モデルで18.4°、定速モデルで21.0°で,制御モデルの最大ピッチング角度は約10%低い結果となった。また、制御モデルのピッチング角度は、静止姿勢と比べて3.7°、定速走行モデルでは7.7°上昇していた。以上の結果から、駆動力制御による動的ピッチング角の抑制効果が認められた。
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